前回の記事では、食品廃棄物を原料に堆肥をつくるときに不都合なものを分別する作業等についてご紹介しました。今回からはいよいよ、これら原料となる食品廃棄物の堆肥化処理の工程について具体的に見ていくことになりますが、まずは原料の性状の均一化と発酵条件の最適化のための水分調整といった前処理が必要となります。
今回は、これらの前処理について説明します。
堆肥をつくるとき、木の枝や野菜類、特に根菜類はそのままの状態で混ぜてしまうと分解するのに時間が掛かります。そこで前処理としてこれらの物は破砕機にかけて細かく砕きます。
破砕する原料は、(1)廃棄された野菜くず(ニンジン、キャベツ、大根etc…)、(2)植栽せん定から出る枝葉 があります。
破砕機で破砕して粒子を細かくすることによって表面積が大きくなるので、難分解物は分解されやすく、また水分含量が多いものは水分を放出しやすくなります。
破砕すると直径1cm未満の粒子状の形状になります。しかし、このままの状態ではまだ水分が多いので、1?2日ほど水抜きを行ない、水抜きが終わったら、水分調整剤と混ぜて発酵の過程に移ります。
なお、破砕機は使用後、高圧洗浄機を使用してきれいに水洗いします。
水は生命の源と申しますが、多すぎる水分は時として生命活動に悪影響を及ぼします。この事は発酵菌に関しても同じこと。堆肥化の原料となる食品残さや野菜などは水分含有量が80%?90%ほどあり、また、食品残さ等自体には発酵菌が含まれておらず、そのままの状態では発酵が進みにくいので、水分調整と発酵菌の添加をする必要があります。原料に発酵菌を加え、水分量を減らし、重機を使ってかき混ぜて隙間に空気を入れることによって多孔質空間ができ、好気性菌の繁殖を可能にする環境ができあがり、発酵が進みます。
弊社では、上記の食品残さや野菜の水分調整剤(発酵菌の添加も含む)として水分量約50%の牛フン、または水分量約50%のベース堆肥という完熟堆肥を使用して、原料の水分量を約65%に調整します。
このベース堆肥というのは、生ごみ等がプラントで約45日間の発酵期間を経て再生した(=リサイクルが完成した)堆肥です。
前処理が終わった食品残さ等と水分調整剤の混合物(水分量約65%)は、攪拌機があるレーンに移され、攪拌機で混ぜ合わせながら乾燥させて、好気性発酵を促進します。レーンから出てきた堆肥は堆肥舎に運ばれ、二次発酵に移ります。
コメントいただきありがとうございます。
また、返信が遅くなり、申し訳ございません。
基本的に臭気対策は腐敗臭に対して行なっております。発酵臭に関しては、周辺に牛舎があるので、牛舎からの臭いなのか弊社からの臭いなのかの線引きが困難であるため適用外となっております。
対策としては、
・まず第一に、腐敗防止のため、回収してきた生ゴミは貯めず、すぐ牛ふん等と混ぜる。
・次に毎日清掃後、サンパルファという防臭や発酵促進等に効果のあるパウダーを地面に撒きます。
・それでも臭う場合は、噴霧器を使って消臭剤を撒きます。
以上、簡単ですが、回答とさせていただきます。
(2013.08.29)
堆肥の生成過程が良くわかりました。ところで臭気対策は如何されてますでしょうか?
(2013.06.26)
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