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「地球と暮らしについて考えるエコ・マジック」バックナンバー

0092017.09.05UPシロクマの笑顔

 北極圏やヒマラヤなどの高山帯は、地球温暖化による平均気温の上昇率がとりわけ高く、影響が顕著に現れやすい環境といわれています。
 北極圏にしか生息していないホッキョクグマは、北極圏がこれ以上暖かくなると、生きていくことができません。北極圏では、この100年の間に平均気温が2℃以上も上がったと言われていますが、このような環境の激変は、当然、ホッキョクグマにも、さまざまな深刻な打撃を与えます。
 ホッキョクグマは主に、氷の下に隠れているアザラシを食べますが、地球温暖化によって夏が長くなり、氷の融ける期間が長くなると、アザラシが獲れなくなってしまいます。ホッキョクグマがやせてしまう原因の一つと言われています。

 現在、上記のようなことから、ホッキョクグマは減少しており、困っている状況です。そこで、より多くの人たちにわかりやすく、この現状を伝えるとともに、
 どうしたら失われた北極の氷を取り戻せるのか?
 どうしたらシロクマが笑顔になれるか?
 一人一人が考えるキッカケになればと思い、今回のマジックを作成いたしました。
 どうぞご覧ください。

エコ・マジック動画009

解説

 地球温暖化によって北極における夏場の海氷の急激な減少が危惧されています。北極は、南極と異なり、北極点は海の中にあります。ユーラシア大陸(ヨーロッパとロシア)と北米に取り囲まれた北極海は通常氷に覆われていますが、夏になるとこの氷が融け一部で海が顔を出します。海が顔を出すと海水が急激に温まり更に氷が融けていきます。これは、氷で覆われている時は太陽光(エネルギー)をほとんど反射しています(この反射率のことをアルベドと呼びます。雪や氷は白く、ほとんどの太陽光を反射しますので、反射率が高い、つまりアルベドが高いということになります)が、氷が融けると海が見えるようになって、反射しなくなるからです。海の表面は白くはありませんよね。むしろ奇麗な海水は黒っぽく見えます。つまり反射する微粒子も少ないので全ての波長の光を吸収してしまい黒く見えるわけです。黒っぽいということは太陽光(エネルギー)を吸収しやすい(反射しにくい)ということで、アルベドは低くなります。すなわち、氷が融けて海が顔を出すと、それまで反射していた太陽光つまり太陽エネルギーをたくさん吸収することになり、海水の温度が上昇します。海水の温度が上昇するとさらに周辺の氷が融けるという連鎖反応が次々と起こります。
 つい最近まではそれでも厚い氷が張っていましたから、なかなか融けず、融けてもごく一部でした。しかし、最近では地球温暖化によって極域(高緯度地方)の気温上昇が大きく、冬季に張る海氷の厚さが薄くなっていることに加え、夏季には海面が拡がることから、夏季の海氷の面積が急速に減少してきています。今世紀半ばには、夏季は全ての海氷が融けてしまうと予想されています。
 ホッキョクグマ(シロクマ)は、冬眠中に子供を産み、春になると子育てのために十分な栄養を摂らないとなりません。春先、まだ氷の中にあけた穴で冬眠中のアザラシなどを獲っていますが、海氷の融けだすのが早まると大事な子育ての時に十分な栄養を摂ることが出来なくなってしまいます。このようにホッキョクグマの中でも海氷付近を狩場としている種類には大きな打撃となりますから、生活パターンを変えなくてはならなくなったり、この種の数が減少したりしてしまいます。
 一方で、極域の気温が上昇すると地球を取り巻く気流の流れにも大きな影響が出て来ますので、地球全体の気候変化の要因ともなり、その影響は北極から遠く離れた日本にも及びます。
 なお、北極の氷が融けると海面上昇が起きると思う方がおられるかとも思いますが、海の上の氷が融けても海面上昇にはつながりません。しかし、夏場に北極の氷が全て溶けてしまうような温暖化はその周辺の陸の上の氷や雪も当然融かしてしまいますので、総合的には海面上昇をもたらす可能性は高いでしょう。
 ホッキョクグマの笑顔は、私達の笑顔にも通ずるのです。

一般財団法人環境イノベーション情報機構 専務理事・功刀正行

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