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「北海道で飲食店をやりながら生きていく」バックナンバー

0092021.02.22UP雪原の狩猟、豪雪深まる。

北海道屈指の豪雪地帯

 2月に入り、雪も深まって来ました。
 今日は芦別という地域に狩猟にきています。

 この赤く囲まれた所ですね。この辺りは空知地方といって北海道でも屈指の豪雪地域です。
 平均積雪量は2mいかないくらいでしょうか?
 そんな雪量も随分と普通になってきました。
 北海道にきてから、感覚が随分おかしくなってきてます(笑)。
 では行ってみましょう。


 雪原の林道を車で入ります。

 ここは初めて入る山なので、とても緊張しています。
 車高も高く、太いタイヤを履いているランクルでも、この雪量は余裕で埋まってしまいます。
 無理せずゆっくりと進みます。
 回りに木が沢山あるので、埋まってもウィンチをかける所には困らなそうです。


こんな豪雪ではスノーシューが必須

 奥に進むと、雪量も多いため、少し手前の丘から山に上がります。
 この林の奥を山に上がり攻めて行きます。


 そしてこんな豪雪ではスノーシューが必須です。

 スノーシューに求める性能は雪上歩行と浮力ですね。
 日本でも同じような種類でワカン(輪かんじき)がありますが、スノーシューとの違いはその浮力の差です。

 では、スノーシューならなんでもいいのかというと、違いまして。


 僕が使っているのはMSRライトニングアッセントというモデル。
 フレームには鋸歯があって、固い氷上でも全方向によくグリップします。
 軽くて、剛性。
 テールも長くて浮力もある。僕らの荷物の量は15キロ程あるので、半端なスノーシューだと雪の中を沈んでしまうのですね。


 というわけで歩いていきます。


 しかしすごい雪の量です。
 つぼ足だとズブズブと埋まっていきます。


鹿道を追う

 鹿道を見つけました。いつものようにこれを追っかけます。
この先に鹿ありです。


 少し上がると太い鹿道ができています。
 この山には鹿がいそうですね。
 全く鹿道がない山もあるので、ひとまず新規開拓は成功です。
 後は僕の実力で捕れるかどうか。


 寝た後がありますね。糞も新しいのでもう少し先にいそうです。
 ゆっくりと歩いていると、鹿が目の前に立っていました!
 逃げる様子はありません。
 距離は30mほど。立射で絞りこむように撃ちます。
 発砲!鹿は逃げていきます。
 さて、当たったでしょうか?


 発砲現場に行くと、毛が散らかっています。
 命中です。ひとまず安堵の気持ちになりますね。

 血痕も見つけましたが、少し薄いですね。
 逃げられた可能性もあります。


 この峰を降りて行ったようです。
 この先は沢になっているので、あまり行きたくありません。
 冬の沢は倒木に雪が積もっていて、歩ける場所と思い進んでいくと、足場が抜けて体ごとはまる事があります。
 しかし、この先に鹿がいるかもしれない…。


 アドレナリンが出ている時は一番トラブルが起きやすいので、慎重に降りていきます。
 そうして降りていくと…。

ピンヅノのオスは、臭みもなく極上の肉

 すぐに鹿のご遺体を発見しました。
 凍った川に落ちています。一頭捕獲です!


 別アングルから。
 角が生えの角、雄ですね。
 こういう個体を、僕らはピンヅノと呼んでいます。
 メスのミルク臭さもなく、かといってオス特有の臭みもない極上の肉です。
 僕の一番好きな個体ですね。
 嬉しい^^
 雪山の沢はとても寒く、立っているだけで凍えてきます。
 解体を迅速に終わらせて、早く沢を上がらないと事故がおきます。
 (すいません、解体の写真をとる余裕がありませんでした…)


 熊のかぎ爪の後、付近には熊も生息しているようです。


 無事に沢を上がり、山を降りて車に向かいます。肉の重みでスノーシューが埋まって苦しいですが、嬉しい悲鳴ですね。


 しかし、本当に北海道の自然は雄大です。
 夏の新緑、冬の凍る山々。
 色んな地域に住みましたが、こんなに四季がはっきりとわかる地域を僕は他に知りません。
 こんなにも自然に近い。
 北海道に住めて幸せです。

 さて、4月のオフシーズンまで狩猟はまだまだ続きます。
 次はどんな狩猟になるのでしょう。
 僕自身も、出猟が楽しみでなりません。
 ではまた次回をお楽しみに。
 時節柄、皆様には一層のご自愛をほどをお祈りいたします。

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  6. 006「北海道の竹の子といったら笹竹を取りに行く。」
  7. 007「令和2年度 北海道での狩猟の始まり」
  8. 008「北海道の狩猟、雪原の狩猟の始まりだ。」
  9. 009「雪原の狩猟、豪雪深まる。」
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