私の所属する沖縄リサイクル運動市民の会は小学校へ出向き、環境教育プログラム「買い物ゲーム」という出前授業を実施しています。「買い物ゲーム」は教室に準備した模擬店舗に本物そっくりに描いた肉や野菜を様々な容器包装でパッケージして並べ、グループごとに5人分のカレーの材料と飲み物を買い揃えておつりをもらいます。買い物したおつりの発表のあと、買い揃えたそれぞれの商品の容器包装につけられたゴミ処理費を引いて残ったお金が一番多いグループを競い合うゲームです。おつりが一番多いグループでも、ゴミ処理費を計算してみたら、残ったお金が少なくなって逆転されることもあり、こどもたちはゴミ処理費に多くのお金がかかることに驚きます。
プログラムの途中で、ごみを減らすための買い物の工夫を出しあう時間をもちます。まずは一人ひとりがアイディアカードに記入してもらい、次に各グループで発表、そしてアイディアを絞り込み、クラス全員で発表するという順番になっています。そこでは様々なアイディアが出ます。「マイバッグを持って買い物に行く」「包装の少ないものを選ぶ」「バラ売りやはかり売りのものを買う」「シャンプーなどは詰め替え用のものを買う」「お菓子など小さなもので一つだけ買うときには袋を断ってテープを貼ってもらう」「リサイクルされた再生紙のノートなどを買う」などのアイディアのほかに「肉や魚のトレーはお店に返す」など買い物した後のアイディアも出ます。
必ず出るアイディアには「無駄なものは買わない」「必要なものだけを買う」というのがあります。「うちの冷蔵庫は賞味期限切れのものがあっていっぱいになっているよ」という声もあがります。家族の人たちに聞かせたい一声です。
そして、「使えるものは大切に使い、すぐに新しいものを買わないようにする」というアイディアも出ます。買い物ゲームはごみを減らすために一人ひとりができることに気づき、暮らしの中で実行していくことができるようにと考えて開発したプログラムです。子どもたちの感想には「ごみを減らすために自分にできることはいっぱいあった」「もっとごみのことが知りたい」「買い物やごみが地球環境とつながっていることがわかった」「家族に買い物にはマイバッグを持って行こうと話したい」など様々な気づきが書かれています。
子どもたちは家へ帰って買い物ゲームで知ったことを家族に伝えていくことでしょう。
子どものころからの環境教育の必要性を小学校への出前授業をしながら実感します。
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