2008年の6月より、ベトナムの中部、世界遺産のある街・ホイアン市の環境担当者たちと交流を始めています。JICA(独立行政法人国際協力機構)の事業に協力し、ホイアン市の環境担当部署の職員2人を招いて、沖縄で一ヶ月の研修を実施しました。
研修は、どのようにしたらホイアン市でごみの3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進ができるかを目的に行われました。那覇市でのごみの減量推進の経験を伝え、ゴミ処理施設見学やリサイクル業者や環境教育、企業や市民の取組みを知ってもらい、それを参考に、ホイアン市での3R推進計画「アクションプラン」を立てるというものでした。
研修員たちがベトナムに帰り「アクションプラン」にそって様々な取り組みをした中で、面白い報告がありました。
ホイアン市の小さな島・チャム島は、ポイ捨てによりビニール袋が散乱し、島の自然や観光への影響など大きな問題になっています。そこで、ポイ捨て防止キャンペーンやゴミ拾いなどの美化運動だけでなく根本的な解決策として、レジ袋やビニール袋を使わないようにしようというキャンペーンが始まりました。
そのキャンペーンはまず、島の人を集会所に集め、各家庭にプラスチック製のカゴのようなマイバッグを配り、使ってもらえるように説明することから始まりました。市場や店からもホイアン市が店にお金を払ってレジ袋やビニール袋を回収したそうです。店は、魚などを売るときにビニール袋に入れられないとしたらどうするのかというと、葉っぱではさんでマイバッグに入れて売っているということです。葉っぱなら庭に捨てても分解できますよね。
人口2000人ほどの小さな島・チャム島にはゴミ処理施設もないため、ゴミは各家庭で穴をほって埋めているようです。分解できないビニールやプラスチックも埋めて適当に処理されています。しかし今、チャム島は環境保護地区になっているので、島の環境を守るために、市長や議長がマイバックキャンペーンへの参加を住民に呼びかけたのです。島の人は市長や議長が大好きなので、市長たちの言うことには大賛成。マイバッグキャンペーンに同意し、ビニール袋使用を減らすことに協力していくとみんなが言っています。
島の外から来た観光客がサンダルをビニール袋に入れて持ち歩いていると、「この島ではビニール袋は使えません。これを使ってください。」と布製の袋を島の人が売るそうです。
チャム島にとってビニール袋の散乱は観光資源を壊すことになり、島の美化のために、住民は本気になってビニール袋削減をしていこうとしています。島からビニール袋の散乱がなくなり、本当に美しい島になったという報告が来ることを待ちわびています。
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