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「ようこそ、外来種問題の世界へ」バックナンバー

0042015.10.06UP牧草植物の適切な管理

 「外来種は日本に全くいない方が良いのでしょうか?」という質問を受けることがあります。  答えは、「必ずしもそうとはいえません」です。
 自分たちの生活や社会を振りかえってみましょう。例えば、イネやニワトリは外来種ですが、私たちは多くの恩恵を受けています。人に適切に管理されていれば野外に拡がることはほとんどなく、被害も報告されていません。全ての外来種が被害をもたらすとは限りませんし、人の生活にとって有益で必要不可欠な外来種もあり、これらが私たちの生活や社会を豊かにしてきたことも忘れてはいけません。
 しかし、私たちの生活に役立っている産業利用される外来種についても、被害が生じるおそれはあることから、基本的には外来種被害防止三原則(入れない、捨てない、拡げない)に基づいた適切な管理が求められます。
 今回は、牧草として利用される外来種の適切な管理について紹介します。

畜産業を支える外来種の牧草

 我が国の耕地面積約454万ha(2013年)のうち、牧草は約75万ha(約17%)に作付けられ、酪農をはじめとする畜産業を支えるとともに国土の有効活用が図られています。特に酪農が盛んな北海道では、耕地面積約115万haの半分の約55万haが牧草地となっています。これらの牧草地では、牛などの家畜の飼料として利用されているチモシー(オオアワガエリ)やオーチャードグラス(カモガヤ)といった外来の牧草種が育てられています。

オオアワガエリ オオアワガエリ
オオアワガエリ © JWRC

カモガヤ カモガヤ
カモガヤ © JWRC

 このような外来の牧草種は、元々は日本の自然環境にはありませんでした。このため、不適切な管理の結果、牧草地などの管理地外に拡がってしまうと地域の生態系等に被害を及ぼすおそれもあります。利用する際の適切な管理を求めるため、今年の3月に策定された「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」に外来の牧草種が掲載されました。生態系被害防止外来種リストに掲載されている外来種には法的な規制はありませんが、「適切な管理が必要な産業上重要な外来種(産業管理外来種)」として位置づけて、利用上の留意点などを示しています。
 産業管理外来種については、こちらのリーフレットをご覧ください。

牧草の適切な管理の徹底が、外来種の拡散を防ぐ

 国内における主な牧草の利用者である酪農では、刈り取った牧草を乾草やサイレージに調製したり、家畜を放牧したりして利用しますが、通常は、家畜にとって高い栄養を持つ結実前の出穂期(しゅっすいき)に収穫・利用されています。種子が成熟する前に刈り取ったり利用したりと適切な管理が徹底されることで、牧草地外へ種子が拡散していくのを防ぐことができます。
 また、牧草地外への拡散を防ぐため、ほ場の周囲の草刈りなども適切な管理の一つとして実施されています。

 生態系被害防止外来種リストに掲載されている牧草などの詳細の情報についても、環境省ウェブサイトで公開しています。これら、詳細情報は、今後更に充実を図っていきます。

環境省ウェブサイト
掲載種ごとの参考情報

※本稿は、「外来種被害防止行動計画」p.50をもとに改変しました。


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