図2-1は、関東地区における月別平均消費電力量の年間推移をグラフ化したものです。
自宅に毎月届く「電気の検針票」。ここに記載された当月の電気使用量(前回検針日から今回検針日前日までの使用量)を月ごとに並べてグラフ化すると、わが家の電力消費の実態を大まかに把握することができます。4月からスタートして、冬のピークが切れないようにグラフを描くとわかりやすくなります。
図2-2は東京電力が発行する検針票の事例。[3]の「電気使用量」をデータとして抽出し、グラフを描けばよいわけです。なお、検針票が手許にない場合でも、電力会社に問い合わせると、過去2年分の月別電力消費量を教えてもらえるそうです。
図2-1では、1年間でもっとも電力消費の多かった月が1月だったことがわかります。この最大消費月間にどんな生活をしていたかをふりかえりながら、わが家のエネルギー消費の“ムダ”について考えてみると、省エネ対策への糸口がつかめます。例えば、冬の暖房機器を中心に、以下のようにふりかえってみるとよいでしょう。
一方、冷暖房機器を使わなかった6月が、1年間を通じてもっとも電力消費が少ない月になっています。この電力消費量が、季節変動による影響を受けない、“わが家のベース電力消費量”と見なせます。ベースの電力消費量が多いと言うことは、日常的な電力消費のムダが潜んでいるかも知れないということ。例えば、エネルギー消費効率の悪い一昔前の機器を使っているとか、夜遅くまで煌々と灯りをつけた生活を送っているなど、何かしらの原因が思い浮かぶのではないでしょうか。
グラフの形は、家庭のライフスタイルを反映します。図2-3は、年間電力消費量の推移をパターン化したものです。夏のピークは冷房機器の使用によるもので、冬のピークは暖房機器による消費電力を表します。
夏と冬に2つのピークができる「ツインピーク型」は冷暖房ともに電気機器を使用する世帯。夏のピークだけの「シングルピーク型」なら冷房のみ電気で暖房にはガスや灯油機器を使うことが推測できます。冷暖房ともに電気機器を使わない(もしくは冷暖房機器を一切使わずに済む)世帯では、ピークのない「フラットタイプ」になります。
変型タイプとして、2月にも小ピークが出現する「トリプルピーク型」を示す世帯があります。受験生を抱える世帯で2月?3月の追い込み期にかけて在宅活動時間が長くなり、消費電力が増す典型的なパターンと言えます。
灯油ストーブやガスファンヒーター、ガス床暖房などの非電気暖房機器を使っている家庭では、電力消費パターンだけではなくて、ガスの消費量をグラフ化してみると、より総合的な省エネ計画が立てられます。
ガス消費のパターンとしては、“冬のピーク”と“夏の谷間”で形成されるV字型が典型です。近年の特徴は、これに“夏のデベソ”が現れること。これは、冬に暖房機器や風呂の湯沸かしでガスの消費量が増える(冬のピーク)のに加えて、夏にシャワーの消費が増えることで小ピーク(夏のデベソ)を形成し、ガス代が上がる傾向を示すものです。
特別な機器等の導入を必要としないわが家の省エネ診断、ぜひ、一度試してみてください。
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