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「ゲストハウスを旅する」バックナンバー

0042018.05.22UPお遍路マスターの僧侶が温かくむかえる宿-さぬき高松ゲストハウスそらうみ(香川県)-

高松では国内外からの観光客とゲストハウスが増加中

 香川県高松市は、四国で2番目に大きな都市。最近は、瀬戸内国際芸術祭の開催を契機に、国内外から瀬戸内海に浮かぶ島々を巡るアート旅や名物「さぬきうどん」を楽しむ人たちなど、訪れる観光客も年々増え、それまで数えるほどだったゲストハウスもここ数年で10軒以上になりました。
 けれど、もともと四国を旅する人で多いのは「お遍路さん」と呼ばれる人たち。江戸時代頃より現在まで、四国八十八ヶ所にある霊場を、徒歩や自転車、バイクや乗用車など、さまざまな交通手段で巡る旅の伝統が長く続いています。

歩き遍路の先達・30代Iターン僧侶が運営するゲストハウス

 ゲストハウスそらうみのオーナー野瀬章史(あきふみ)さんも、四国の「お遍路さん」に心奪われたひとり。野瀬さんは、2005年、38日かけて四国八十八ヶ所歩き遍路を完遂(結願という)した後、香川に移住。旅行会社に就職し、巡拝旅行部門の担当として、多くのお遍路さんを四国八十八ヶ所に導いてきました。
 さらに驚くことに、野瀬さんはご縁があった六番札所の安楽寺にて僧籍を取得し、法名を授かることとなります。四国八十八ヶ所霊場会より公認の先達にも認められ、もっといろんな人にお遍路さんの楽しさを伝えたいと考えたのが、お遍路宿というジャンルを越えた「ゲストハウス」でした。
 2014年、勤務していた旅行会社を退職し、念願のゲストハウス作りに着手。香川県高松市、ことでん(高松琴平電気鉄道)の線路沿い、一宮駅から徒歩5分の土地を取得し、2015年2月新築のゲストハウスをオープンさせました。

開放感あふれる新築ゲストハウス
開放感あふれる新築ゲストハウス

1階はすべて宿泊客で共有できるゆったり空間
1階はすべて宿泊客で共有できるゆったり空間


ゲストハウスの魅力は、程よい距離感のお友達ができやすいこと

ハンモックでくつろいだりのんびりお茶したり、寛げるスペース
ハンモックでくつろいだりのんびりお茶したり、寛げるスペース

 「そらうみ」で大切にしているのは、「ただいま」 「おかえりなさい」と挨拶するような、マイホーム感。ゲストハウスのリビングが自分の家に帰ってきたような居心地の良い場所になるように。「旅人が出会い、お互いを語り合い、仲良くなれる」場所になれるよう、運営には気を配っています。
 野瀬さんが考える人生の豊かさとは、親しく話せるお友達が多いこと。ゲストハウスには、新たな友逹ができる魅力があると言います。
 「知らない場所で、新しい自分になりたいとか、知らない人のほうが自分を出せる場合ってありますよね。基本的に宿泊客のみなさんは県外や遠方同士で頻繁に会えるわけではないので、程良い距離感のお友達になれる。そこが、ゲストハウスの魔力のような魅力だと思っています」

一期一会の出会いを生む「みんなでいただきますの会」

 旅先での一期一会の出会いをより一層楽しむツールの一つとして、「そらうみ」で行われているのが、夕食会。「みんなでいただきますの会」という名前で、その日出会ったゲストやご近所さん、スタッフなどみんなで一緒に晩ごはんを楽しむ会です。食卓を囲んでいるうちに自然に会話が生まれ、共通の趣味や話題が見つかり、お互いの距離がぐっと近くなります。
 リビングは開放的で広く明るい吹き抜け構造なっており、バーカウンターでは野瀬さんが料理を作って提供してくれます。チェアハンモックでのんびりくつろいだり、旅の本などが並べられたブックシェルフから気になる本を取り出してゆっくり読んだりと、過ごし方は自由。
 ただしお部屋は、ゲストハウスではお決まりのドミトリー(相部屋)はなく、「全室カギ付個室」を採用しています。お遍路の旅は疲れも大きく、ドミトリーではちょっと心配という人にも安心して泊まっていただけるような配慮から。遍路旅の方はもちろん、初めてゲストハウスに宿泊するという女性に特に好評です。

シンプルで快適な個室のお部屋。水回りは共同
シンプルで快適な個室のお部屋。水回りは共同

各部屋には四国ゆかりの地名がつけられている
各部屋には四国ゆかりの地名がつけられている

旅好きの野瀬さんならではの厳選ガイドマップや地図帳が並ぶ
旅好きの野瀬さんならではの厳選ガイドマップや地図帳が並ぶ

「みんなでいただきますの会」の楽しげな様子
「みんなでいただきますの会」の楽しげな様子

歩き遍路は、時間をかけて長距離を歩くことで無になれるのが魅力

先達として遍路ガイドを勤める野瀬さん
先達として遍路ガイドを勤める野瀬さん

 野瀬さんが感じるお遍路さんの魅力とは、時間をかけて長距離を歩くことで、心がからっぽになることだと言います。
 「四国八十八ヶ所のお寺さんは それぞれ距離が近いわけではありません。最初のうちはあれやこれや悩みや楽しいことを考えながら歩いているのですが、大体同じことの繰り返しで飽きるんです。そして、疲れてあれやこれや考えられなくなります。そうなると心がからっぽ になると思うんです。悩み等であれば一時的に頭から消えるとも言えます。それが結果的に「無」になる手助けになるのではないでしょうか。」
 なるほどさすが、歩き遍路経験者、公認先達の野瀬さんならではのお話です。全行程を歩いて踏破する歩き遍路は大変ですが、それ以上の魅力があるからこそ、江戸時代から現在までずっと続いてきたのでしょう。現在はお遍路旅をする層は比較的年配の方が多いそうですが、「遍路旅の中でさまざまな気づきや学びがあるので、これからはもっと若い人たちに体験してもらい、これからの長い人生に生かしてもらいたい」と、話してくださいました。

「うどん打ち」「朝参り」など四国ならではの体験プランも提供

自らうどん打ち、打ち立てうどんの夕食は格別
自らうどん打ち、打ち立てうどんの夕食は格別

「ただいま」と「おかえりなさい」駅の間にある「そらうみ」
「ただいま」と「おかえりなさい」駅の間にある「そらうみ」

 ゲストハウスとしての居心地のよさや対応のよさはもちろんのことですが、四国ならではのアクティビティがあるのも「そらうみ」の特徴です。
 先達でもある野瀬さんから直々にお遍路話を聞いたり、ガイドをお願いすることも可能です。また、何ヶ所も廻れないけれど、お遍路さんの体験をしてみたい人には、近くにある四国八十八ヶ所第83番でもある一宮寺への朝参りガイドツアーも行っています。
 さらにユニークなのが「うどん打ち」体験。地元の人気店で麺打ちを学んだ野瀬さんの指南をうけて、生地を足で踏み、うどんを打つことができます。出来上がった麺はそのまま夕食の一品として提供されます。

 早春から春が一番のお遍路によい季節とは野瀬さんのお話。ぜひみなさんも春の四国・高松で「そらうみ」に宿泊し、お遍路さん体験をしてみませんか?


さぬき高松ゲストハウスそらうみ
〒761-8084 香川県高松市一宮町393-8
http://www.sanuki-soraumi.jp/

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