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「ゲストハウスを旅する」バックナンバー

0012017.10.10UP瀬戸内の小さな島の古民家ゲストハウス-汐見の家(愛媛県佐島)-

ゲストハウスとは?

古民家ゲストハウス汐見の家玄関
古民家ゲストハウス汐見の家玄関

 ゲストハウスとは、ホステル・バックパッカーズとも呼ばれていますが、ひと言で表すと「素泊まりで水回りが共同、比較的安価な宿」のことを指します。キッチンやくつろげるラウンジなどの共有スペースが多く、マネージャー・女将・オーナーなど管理人が常駐し、宿の切り盛りをしています。似たような形式に、ユースホステル(YH)がありますが、YHは、国や国際的な組織があるのに対し、ゲストハウスはそのような組織体はなく、個々の規則も緩やか、管理人が20~40代と比較的若い世代が多いのも特徴です。
 もうひとつ大きな特徴は、ドミトリーと呼ばれる相部屋がある形態が多いこと。二段ベッドや畳で布団、カプセルホテルのようなポッド方式など形態はさまざまですが、1泊2食付きの旅館や民宿とは違い、気ままなひとり旅でも使いやすく、比較的安価に泊まれるので連泊しやすいのもよいところでしょう。


出会った旅人同士・スタッフと一緒に食事を囲むことも。
出会った旅人同士・スタッフと一緒に食事を囲むことも。

 そもそもがアジアやヨーロッパで普及しているスタイルの宿なので、その出自から英語対応しているところも多く、日本に居ながらにして外国人の旅人と国際交流できることがあるのもゲストハウスの楽しみのひとつです。
 ゲストハウスのカジュアルで親しみやすいスタイルは、シェアハウスやシェアカーなどのシェアリングエコノミーに慣れた若者には、経済的という理由だけではなく、他人との程よい距離感が心地よいと感じられています。旅先を場所から選ぶのではなく、「行きたいゲストハウスがあるからそこに行く」と、宿から旅先を選ぶ層も増えています。

佐島は愛媛県弓削島と陸路で繋がる小さな島

 愛媛県上島町(かみじまちょう)は芸予諸島に属する離島だけの町。佐島(さしま)はその中の島のひとつです。知られた観光名所もない面積2.6km2の本当に小さな島ですが、ここにしまなみ海道を通るサイクリストや島旅を好む人が、海道沿いを外れ、わざわざ訪れるゲストハウスがあります。

瀬戸内の海をつなぐ所要時間10分のフェリー
瀬戸内の海をつなぐ所要時間10分のフェリー

佐島の細い路地にあるかわいらしいお地蔵さま
佐島の細い路地にあるかわいらしいお地蔵さま


汐見の家手前にある小さな看板。分かりにくい場所なので港までお出迎え。
汐見の家手前にある小さな看板。分かりにくい場所なので港までお出迎え。

 佐島はお隣の弓削島(ゆげしま)・生名島(いきなじま)と橋でつながっていますが、弓削島はどこの島とも繋がっていないので、今治や因島などのどこから来ても一度は船に乗って渡ってこなくてはいけない、という利便性の悪い場所。いったいどんなゲストハウスなのでしょうか?

古民家のよさを活かしてリノベーション

 佐島の玄関口、佐島港から細い路地を歩いて数分、小さな看板に導かれるようにひそやかに存在しているのが、古民家ゲストハウス汐見の家です。玄関や和室、床の間や縁側など、一見古民家そのものに見えますが、水回りやお庭など、快適に過ごせるようリノベーションを行っています。

夜は古民家の庭にライトが当たって幻想的。
夜は古民家の庭にライトが当たって幻想的。

客室の縁側からお庭を望む。
客室の縁側からお庭を望む。


新しく整備した五右衛門風呂。小さな釜の中の入浴は新鮮な体験です!
新しく整備した五右衛門風呂。小さな釜の中の入浴は新鮮な体験です!

 ここの設備の一番の目玉は五右衛門風呂。こちらも土台を残し、新たに作り直しています。木の香りが漂ってきそうなキレイな脱衣場を経て風呂場に入ると、丸い大きなお釜の風呂! お湯の温度調整はもちろん風呂釜の下、人力で火の加減を調整します。自分で火を熾して焚いてもいいし、スタッフにお願いするのもあり。別途シャワーブースもあるので、身体を洗うだけならそちらを使うことも可能です。


左から女将の富田桂子さん、2016年夏ヘルパーの男性、スタッフ工藤美絵さん、筆者。
左から女将の富田桂子さん、2016年夏ヘルパーの男性、スタッフ工藤美絵さん、筆者。

 こちらの管理人として、愛媛県伊予市から移住した富田桂子さんが保育園に通う息子さんと、同じく愛媛県の今治市から移住したスタッフの工藤美絵さんとともに、自然体で家族的なスタイルでゲストを迎えています。

スタッフと宿泊客・住民が交わる「シェアごはん」

島の住民も旅人も、老若男女みんなでごはんが楽しい。
島の住民も旅人も、老若男女みんなでごはんが楽しい。

 汐見の家の特徴でもあり、人気があるのが「シェアごはん」の仕組み。佐島は小さな島。大きめのスーパーは、橋を渡ったお隣の島にしかなく、島の飲食店は限られています。共有キッチンで食事を自分でつくることも可能ですが、スタッフの桂子さんファミリー・美絵さんの家もごく近所にあるため、いつしかスタッフとともに、夕食を一緒につくってみんなで食べる「シェアごはん」が定着するようになりました。
 ゲストとスタッフが一緒にごはんをつくる作業で、お互いの距離感が近くなり、話も弾みやすいのだとか。島の住民がそこに加わることもよくあり、自然と旅人と地元の人が交流する場所になっているようです。

サイクリストを中心に外国人にも人気

しまなみ海道・ゆめしま海道を走るサイクリストに特に人気。
しまなみ海道・ゆめしま海道を走るサイクリストに特に人気。

 広島県尾道と愛媛県今治を結ぶ全長約70kmのしまなみ海道には、海峡を横断する自転車道(瀬戸内海横断自転車道)があり、開通から15年以上を経て、いまや世界的にも有名なサイクリストの聖地として知られるようになりました。佐島はしまなみ海道からは外れていますが、弓削島、佐島、生名島の3島を結ぶ「ゆめしま海道」として知られるようになり、ミニチュア版しまなみ海道として人気です。  そうした背景もあり、汐見の家には、ヨーロッパ人サイクリストを中心に海外からの宿泊も増えています。五右衛門風呂だけでなく、畳や縁側、日本式の庭など、日本人のわたしたちにとっても新鮮な気分になりますが、海外からのゲストは、更にどこかにタイムスリップしたような特別な体験になっていることでしょう。

懐かしくて新しい。古民家ゲストハウスの世界

徒歩3分の港から見た瀬戸内の夕暮れ。ゆったりとした時間の流れを感じられます。
徒歩3分の港から見た瀬戸内の夕暮れ。ゆったりとした時間の流れを感じられます。

 ゲストハウスには、このような離島や田舎と呼ばれる地域にも増えてきています。物味遊山の観光ではなく、暮らすように旅する入口として、ぜひ古民家活用のこうしたゲストハウスを訪ねてみてはいかがでしょうか。


■古民家ゲストハウス汐見の家
 〒794-2520 愛媛県越智郡上島町 弓削佐島299
 http://shiomihouse.com/


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