メインコンテンツ ここから

「Eco Value Interchange」バックナンバー

0182016.04.27UP日本初!CO2排出ゼロをめざす道の駅『にちなん日野川の郷(ひのがわのさと)』(鳥取県日南町)がオープン!

グランドオープンを迎えた、道の駅「にちなん 日野川の郷」

4月22日にグランドオープンを迎えた、道の駅「にちなん 日野川の郷」。多くの来客で賑わった。

4月22日にグランドオープンを迎えた、道の駅「にちなん 日野川の郷」。多くの来客で賑わった。
4月22日にグランドオープンを迎えた、道の駅「にちなん 日野川の郷」。多くの来客で賑わった。

増原聡町長と歓談するEVIの加藤孝一。
増原聡町長と歓談するEVIの加藤孝一。

オープニングフェアの記念式典に列席する加藤孝一。
オープニングフェアの記念式典に列席する加藤孝一。

道の駅構内は、FSC(R)認証を取得している地元・日南町産の木材をふんだんに使った森をイメージするインテリアに日南町の四季折々の魅力を表すバナーを吊り下げ、来客を迎えている。
道の駅構内は、FSC(R)認証を取得している地元・日南町産の木材をふんだんに使った森をイメージするインテリアに日南町の四季折々の魅力を表すバナーを吊り下げ、来客を迎えている。

 世界アースデイに当たる4月22日(金)から週末23日(土)・24日(日)にかけての3日間、鳥取県日南町生山でグランドオープンを迎えた道の駅「にちなん 日野川の郷(ひのがわのさと)」【1】のオープニングフェアが大々的に開催された。
 中国山地のほぼ中央に位置する鳥取県日南町は、県の約1割の面積を有し、その約9割を森林が占める。西は島根、南は岡山、南西部は広島と3県に接する人口約5千人の中山間地域にあって、高齢化率は47.5%にもなる(2016年2月末時点)。県3大河川の一つである日野川の源流は町内から発し、この流域を中心に標高280~600mの間に大部分の集落と耕地が広がっている。
 今回オープンした道の駅「にちなん 日野川の郷」は、その日野川に沿って走る国道183号線の沿線にあって、町役場やJR生山駅、高齢者住宅やショッピングセンター、町の総合文化センターなどが集中する町の中心部に位置する。
 国土交通省が地方創生の拠点施設として位置づける全国35か所の「重点道の駅」の1つに選定されたこの道の駅は、同町が掲げる「コンパクト・ヴィレッジ構想」【2】の中核施設の一つに当たる、商業・福祉ゾーンの拠点としての機能も持っている。特産品の集出荷・加工販売を集約して地場産業の振興(6次産業化)を図るとともに、定住促進住宅と高齢者住宅を配置して多世代交流を図ることで社会福祉効果を期待する。平日には、道の駅と、町役場や生山駅、ショッピングセンターなどの商業施設や高齢者住宅などの間をつないで巡回・送迎する電気自動車も運行し、国道を走行するドライバーのための“道の駅”としてだけでなく、町民にとっても暮らしや楽しみの中心施設としての役割を担う。

 この道の駅で、もう一つ大々的に掲げているのが、環境への取り組みだ。
 道の駅構内に開設する農林産物集出荷場や加工場には、毎朝、地域の農家から届く新鮮な野菜が配送され、その場で加工・販売したり、レストランの食材にも用いられたりする。そして、これら道の駅で扱うすべての商品は、1点につき1円が寄付型オフセットとして、地元の森林を支援する原資に充てられる。さらに、構内で使用される電気やボイラー燃料などから排出されるCO2も、その全量が地元森林産のオフセットクレジットによりオフセットされ、実質的なCO2排出量をゼロにする試みにも挑戦する。
 施設の木造部分には、FSC(R)認証を取得する地元・日南町産の木材をふんだんに使用し、道の駅としては全国初となるFSC(R)認証【3】施設として運用するのも注目される点だ。

にちなんブランドとしてイメージ統一のロゴマニュアルの作成

道の駅に設置された「EVIショップ」の陳列棚の前で環境貢献型商品について説明する加藤孝一。
道の駅に設置された「EVIショップ」の陳列棚の前で環境貢献型商品について説明する加藤孝一。

デザインイメージを統一するためのロゴマニュアル。道の駅で使われる各種ツール類はすべて、ロゴマークのデザインと色づかいを反映させ、ブランディング構築をめざす。
デザインイメージを統一するためのロゴマニュアル。道の駅で使われる各種ツール類はすべて、ロゴマークのデザインと色づかいを反映させ、ブランディング構築をめざす。

店内のサイン(標識)も、ロゴマニュアルの色定義に準じてデザインを統一している。
店内のサイン(標識)も、ロゴマニュアルの色定義に準じてデザインを統一している。

農産物等の出荷者を対象に開催した「POP制作セミナー」。

農産物等の出荷者を対象に開催した「POP制作セミナー」。
農産物等の出荷者を対象に開催した「POP制作セミナー」。

 鳥取県日南町におけるEVIとの連携事例については、本連載の第14回『EVIを活用した、水田農業による地域活性化の取り組みと環境貢献』でも、農事組合法人エコファームHOSOYAの事例報告を通じても紹介している。そのきっかけになったのが、今回取り上げた同町の道の駅構想とそこで展開する環境貢献型商品の開発へのサポートにあった。
 「この道の駅にある目に見えるものの設えは、基本的にすべて私どもで手がけさせていただきました。ロゴマークのデザインをもとに“にちなんブランド”としてイメージの統一を図るため、色の定義などを定めたロゴマニュアルも作成しています。このマニュアルは、店内のサイン(誘導サインや案内図)から商品の販売棚、ショッピングバッグやエコバックのデザイン、POSシステムのラベルデザインやパンフレットなどの印刷物など、さまざまな制作物に適応していくのです。そうして訪れる人たちの目に入るところのメッセージをすべて統一したデザインで表現していくことのインパクトは、現地で初めて実際に目の当たりにした際に、提案した私たち自身もびっくりするくらいのものになりました」
 カルビー株式会社カルネコ事業部・事業部長の加藤孝一は、日南町の道の駅オープンに向けたEVIの関わりと効果についてそんなふうに話す。

 なお、“にちなんブランド”のイメージ統一の一環として、農産物等の出荷者を対象に「POP制作セミナー」をこれまで2回にわたって開催してきた。2016年1月21日の午前中に実施した第1回、またオープン直前の4月12日には施設現地で取り付けサインやPOPの最終調整に合せて第2回セミナーを開催。
 50名ほどが受講したPOP制作セミナーでは、売り場における効果的なPOPづくりを目的に、前半は加藤が購買につながるメッセージツールとしてのPOPの役割について解説し、後半はカルネコのクリエイティブスタッフが講師になって、文字の書き方からレイアウトの仕方までの実技実習を行った。

値札やレシートに、商品1点当たり1円の寄付型カーボン・オフセットについて明記

「1商品につき1円が森林支援に」と表示された値札。
「1商品につき1円が森林支援に」と表示された値札。

空きダンボールの取り置きスペースには、「ダンボールはご自由にご利用ください。リデュース&リサイクル」の案内標識を設置。
空きダンボールの取り置きスペースには、「ダンボールはご自由にご利用ください。リデュース&リサイクル」の案内標識を設置。

 すでに紹介したように、道の駅で販売している商品は、すべて1点当たり1円の寄付型カーボン・オフセットをつけた環境貢献型商品として販売される。
 「ここの道の駅の売り場で販売するものは、全商品、価格に上乗せして1円分のクレジット代金をいただきます。それによって、お買い求めいただくお客様にも買い物を通じた環境貢献に参加してもらい、日本の森を守っていくための主人公としての役割を担ってもらおうというコンセプトです」
 その仕組みと目的等については、店内掲示やパンフレットで説明するとともに、値札やレシートにも明記して、理解の促進を図る。
 日本初のCO2排出ゼロの道の駅と合せてアピールすることで、より効果は高まる。

 環境配慮に向けてできることはそれだけではないから、例えば空きダンボールを自由に持って行ってもらうためのスペースを設置して、「ダンボールはご自由にご利用ください。リデュース&リサイクル」の案内標識を設置したりする。
 来る5月の連休には、木材の利用促進を目的とした間伐材のマイ箸つくりや、うちわ、パズル、葉書などのワークショップの企画運営も予定している。

 道の駅による集客や地域の拠点づくりなど日南町による本事例は、全国の中山間地の自治体が共通に抱えている問題ともいえる。道の駅「にちなん 日野川の郷」におけるこれらの取り組みは、これまでEVIが携わってきたカーボン・オフセット普及促進のための多様な試みと実績を集約した事例といえるだろう。

※写真はすべてEVI推進協議会提供。

注釈

【1】道の駅
 国土交通省(当時は建設省)により登録された休憩施設と地域振興施設が一体となった道路施設。平成5年の登録制度開始以来、全国で1,059箇所の道の駅が誕生し、地域の雇用や経済の活性化に貢献している。
 道の駅「にちなん 日野川の郷」は、2015年1月に国土交通省の重点道の駅35箇所の一つに選定され、地域活性化の拠点として効果的な取り組みが期待できるとして「重点道の駅選定証」が国土交通大臣から町長に手渡された。同年10月には、県内15箇所目、中国地方では100箇所目の道の駅として正式登録されている。
【2】日南町のコンパクト・ヴィレッジ構想
 鳥取県日南町は、「創造的過疎」をテーマにまちづくりを進めている。2015年8月には日南町人口ビジョン・総合戦略を策定し、地方創生に向けた取り組みを本格稼働させた。
 同町のコンパクト・ヴィレッジ構想は、道の駅を中心とした半径1キロ圏内に、商業、医療・福祉、行政機関など、町民の暮らしを支えていくコンパクトで効率的な機能を集約させ、町全体の活力を創出する新たな拠点整備の取り組み。
【3】FSC(R)認証
 FSC(R)認証とは、適正に管理された森林から産出した木材などに認証マークを付すことによって、森林の保護を図ることを目的に運用される、森林認証の一つ。国際NGO「森林管理協議会」(1993年設立)が認証する。
 FSC(R)の認証制度には、森林の管理を対象とした 「FM認証」(森林管理・経営:Forest Management Certification) と、認証森林の林産物が加工等され、消費者に正しく届けられることなどを生産・加工・流通等の各段階において認証する「CoC認証」(生産・流通・加工工程の管理認証:Chain of Custody)の2種類がある。

このレポートは役に立ちましたか?→

役に立った

役に立った:0

このレポートへの感想をお送りください。
投稿いただいた感想は事務局チェック後に掲載されます。

ニックネーム
感想
 
送信する入力内容クリア
Eco Value Interchange

「Eco Value Interchange」トップページ

エコレポ「Eco Value Interchange」へリンクの際はぜひこちらのバナーをご利用ください。

リンクURL:
http://econavi.eic.or.jp/ecorepo/together/series/35

バックナンバー

  1. 001「豚ふん堆肥燃料でカーボンオフセット? ~削減系クレジットで日本の第一次産業を支える」
  2. 002「さらなるCO2削減につながる事業にJ-VERを活かして」 -南アルプス市のカーボンオフセット付き農産物と市民参加のわくわくエコチャレンジ-
  3. 003「わが身の安全と、被災地支援とをつなげる試み」 -『ともに生きる!』ひろげよう防災の輪!復興支援キャンペーン-
  4. 004「身のまわりで使うあらゆるものを国産木材のものに置き換える」 -木の出口のための“森のめぐみのおとりよせ”のラインアップ-
  5. 005「カーボンオフセットでつながる企業と人 ~森を支える仕組みづくりを育む『EVI環境マッチングイベント2013』」
  6. 006「カーボン・オフセットを付けて、未利用食材や特産品の商品価値を向上」
  7. 007「妖精が棲む湖のリゾート地から、森林保護とCO2削減の取り組みモデルを全国に発信!」 -女神湖グリーン&クリーン・リゾート構想-
  8. 008「小さな一歩を集積して、大きな力をともにつくりあげるための新たな仕組みづくりをめざして」 -環境マッチングイベント2014報告記・その1-
  9. 009「点を線につなげ、線を面に広げる取り組みをめざして」 -環境マッチングイベント2014報告記・その2-
  10. 010「日本の森と水と空気を守りに、EVIは今日も東へ西へ…」
  11. 011「“未来の大人たちは、環境を守る”に向けて、今なすべきこと」 -EVI読み聞かせ絵本シリーズのめざす、環境教育の形-
  12. 012「環境貢献型商品を開発するだけでなく、売りにつなげるための場と仕組みをつくる」
  13. 013「EVI環境マッチングイベント2015へのいざない」
  14. 014「EVIを活用した、水田農業による地域活性化の取り組みと環境貢献」 -エコファームHOSOYAの取り組みより-
  15. 015「地域密着の食材屋だからできる、“地域の台所”としての役割」 -「第5回カーボン・オフセット大賞」の特別賞を受賞したEVIがサポートする環境貢献の事例-
  16. 016「未利用木材を活用した立体パズルの開発で、森林管理&地域活性化をめざす」 -株式会社トライウッド&株式会社アキ工作社と取り組んだ3社共同の事例-
  17. 017「環境貢献型商品の開発に向けて、ラベルデザインや資材調達などトータルにサポート」 -信州・松代、真田十万石の歴史を生かすNPO法人杏っ子の里ハーモアグリとの協働事例-
  18. 018「日本初!CO2排出ゼロをめざす道の駅『にちなん日野川の郷(ひのがわのさと)』(鳥取県日南町)がオープン!」
  19. 019「プロモーション活動を通じた環境貢献の取り組みをサポート」 -POP・外装材の製作時CO2排出量を全量カーボン・オフセットするカルネコの “CO2排出ゼロ宣言”-
  20. 020「“もっと身近に”をさらに一歩進めるために、“私たちにできること”をめざして」 -EVI環境マッチングイベント2016実施報告(1)-
  21. 021「これまでのマッチングイベントと一味違う、環境パフォーマンス&環境落語の披露」 -EVI環境マッチングイベント2016実施報告(2)-
  22. 022「高校生たちによるカーボン・オフセットの取り組み(1)」 -愛知県立南陽高等学校 Nanyo Company部の事例-
  23. 023「高校生たちによるカーボン・オフセットの取り組み(2)」 -東京都立つばさ総合高校「ISO委員会」の事例-
  24. 024「いよいよビッグネームがカーボン・オフセットにも参入」 -EVIのコラボで森林支援を組み込んだソフトバンクの『自然でんき』-
  25. 025「EVI環境マッチングイベント2017、開催へ」 -「私たちにできること。」に向けたさまざまなヒントを提示-

前のページへ戻る

【PR】

 

ログイン

ゲストさん、

[新規登録] [パスワードを確認]

エコナビアクションメニュー

【PR】

  • 東京環境工科専門学校 コラム連載中!