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「漁師発!海と魚のお話」バックナンバー

0042009.12.01UPおいしい(?)魚の見分け方

ためになる見分け方

 前回は泳いでいる魚、網の中に入った魚の話でしたが、今回はみなさんにもう少し近寄ってみました。お店に並んだ時の魚の話です。では、なぜ「おいしい」に「?」がつくのか、それはのちほど…。

イセエビ

イセエビ
イセエビの目の内側にある一対の角の色に注目。国産は体と同色ですが輸入物は真っ黒です。

 高級魚介類の代名詞、「伊勢海老」です。分類上「イセエビ」と呼ばれるやつは日本の「イセエビ」だけですが、最近ではいろんな国から飛行機に乗ってそっくりさんがやってきます。
 「似てるけどこりゃ違うだろう!」とか、「お前、誰!?」というヤツもいれば、見分けがつかないヤツもいます。お店にならんでいるときは産地表示していますが(本物のとなりに陳列してあえて表示していない店もありましたが…)、結婚式やパーティなどお皿に盛られたヤツはどれも、メニューに「伊勢海老」って書かれてます。
 そこで、見分け方です。目のとなりの一対のツノが、国産(本物)のイセエビは体と同色です。それに対して輸入物はツノだけが黒色です。一度見るとわかりやすいのでお試しあれ。

アワビ

養殖アワビの稚貝
養殖アワビの稚貝
写真提供 長崎県水産業普及指導センター

 アワビの見分けは、天然か養殖かです。天然は自然の海で生まれ育ち、不幸にも私たち漁師に捕らえられたヤツ、養殖は水槽の中で紫外線照射海水で無理やり産卵させられ、生まれたヤツです。コイツもわかりやすく、養殖は貝殻の中心2~3cmが緑色なんです。
 おそらく生まれてから2~3cmに成長するまでの餌、特に安定して手に入るワカメ、コンブなどの色が影響していると思われます。ただ、アワビは養殖の方がいいもん食ってるせいかやわらかくおいしいようです。

ヒラメ

定置網に入ったヒラメ
定置網に入ったヒラメ。人工的に作られた稚魚を放流して自然界で大きくなったものです。市場では「養殖物」とされます。

 ヒラメも天然or養殖です。「左平目に右鰈(カレイ)」と言いますね。ヒラメの目の無い方の右側が、天然はきれいな真っ白なのに対し養殖は、たいてい左側の茶色い色素が出てまだら模様になっています(個体によってバラつきがありますが)。姿盛りの頭の裏や尻尾の付け根を覗くとわかると思います。
 味はさておき、大きな需要があるときは大きさがバラバラの天然物より規格がそろっている養殖ものの方が競り値が高い場合があります。

タイ

天然物のタイ
天然物のタイです。鼻の穴が2つ見えます。養殖物はこの穴がつながっています。

 片方、2つ(合計4つ)ある鼻の穴がつながっているものは人工的に生産された稚魚です。稚魚の段階で自然の海に放流されるタイもいますが、2つ穴の鼻のタイは「養殖魚」と判断されます。
 それから色。天然は鮮やかなピンク色、腹側は白く輝いています。きれいな魚です。これに対し養殖は海面近くで養殖するため日焼けしています。さらに餌で色づけするため不自然な褐色っぽい赤です。最近の養殖タイは、鮮度管理が大変な生魚は与えずペレットと呼ばれる餌を与えているため、品質も安定して変なにおいもありません。

フグ(トラフグ)

 山口県下関が有名ですが、意外にも養殖フグの生産日本一は私の住む長崎県なんです。長崎のフグが下関へ出荷され市場で競られています。
 フグの養殖、天然の見分け方は歯です。フグは鋭い歯を持っていて網を噛んで穴を開けたりフグ同士で傷をつけたりします。それを防止するため一匹ずつペンチで歯を切ってしまいます。歯が切られているフグが養殖ということです。
 フグの毒(テトロドトキシン)は食べ物に含まれる自然界の物質が蓄積してつくられるそうで、最近では生まれてから全て人工の餌を与えて育てる「無毒のフグ」がいるそうです。もちろんコイツは養殖魚ですがこれはこれでおいしいかも…。

 この他、人工的に孵化させて稚魚を生産する技術の発達でいろんな魚が生産されています。旬でもないのによく脂が乗っているのは養殖かもしれません。
 タイトルの「おいしい(?)魚」の「?」の訳は、最近では「養殖物は…」「輸入だから…」ということはなく、それぞれにいいところがあるからです。これらは安定して供給され安価に流通されています。用途に応じて使い分け、魚をおいしく食べてください。

 ちなみに私、肉が好きです…。

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このレポートへの感想

おもしろいです!天然だから良し、養殖だからダメって考えの方がまだ多いですね・・・、使い分けしていこうと思います!楽しいお話に感謝です!!!
(2014.03.08)

残念なことに、伊勢エビやアワビを買うことはまずないですが、鯛には少しぐらい縁があるので、次回購入時はじっくりお顔を拝見してみたいと思います。
(2009.12.03)

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