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「漁師発!海と魚のお話」バックナンバー

0032009.11.02UP図鑑にのっていない魚の話

獰猛な魚

カエシのついたタチウオの歯
カエシのついたタチウオの歯

 毎日のように海に出て、25年になろうとしています。今回は、知ってても役に立たないけど、話のタネになるような魚トリビアを…。

 獰猛な魚は、なんといってもシイラです。定置網の中で、自分が捕らえられているのに最後の最後まで他の魚を襲って食べてます。ミズイカもわりと獰猛で、捕らえられて“いけす”の中に入れられても、他の魚を襲って食ってます。それと、タチウオ。とても鋭い歯を持っていて、網からすくい上げるとき反撃されるとカッパや長靴、手に深い傷をつけられます。特に獲物が逃げないよう、歯に「反し(かえし)」が付いているので、手を噛まれたとき急に外そうとすると激痛がします。
 ちなみに、シュモクザメ、ホオジロザメなど、世間では「人食いザメ」と呼ばれるヤツもけっこう入ってきますが、意外と網に入ると臆病者で逃げ回ってます(サメってけっこう普通に泳いでいます。訳もなく自分からは襲ったりしませんから、誤解のないように)。

魚界の夫婦愛

バショウカジキ(この日は6本、やっぱり偶数)
バショウカジキ(この日は6本、やっぱり偶数)

 魚には、単独で行動する魚、群れで移動する魚などがありますが、必ずペアで網に入ってくる魚がいます。バショウカジキは必ず偶数で入ってくるので、地元の漁師たちは「コイツらは夫婦で泳いでいる」と言っています。それと、タワライカ。1~2月ころの寒い時期、よく港の中へ迷い込んできますが、コイツらも2匹でやって来ます。ちなみにこのタワライカ、刺身にすると硬くて味がしませんが、一度冷凍すると不思議と柔らかく味もよくなります。
 その他、メスが産んだ卵をオスが口の中で孵化するまで飲まず(?)食わずで世話するネンブツダイは、オスが尽くすタイプの魚です。
 昨今、人間界では夫婦、家族の間でいろんな事件が起こっていますが、魚社会を見習いたいものです。

ホントは魚って頭いい

 魚ってどれくらい知能があるんだろう?
 仕事柄、たくさん魚を捌(さば)いてきました。無駄にしないため、頭も味噌汁のダシや煮付けにします。脳は目玉よりも小さくて単純な形をしているのですが、ホントは頭いい?という行動をすることがあります。
 ボラはジャンプするのが有名ですが、どうも闇雲にジャンプしているわけじゃないみたいなんです。水揚げのとき、網を引いて狭くしていくとジャンプの体制でこっちをじっと見ているんです。よく目が合います。そしてここぞというときに網を飛び越えて逃げていきます。私は一応人間ですが、ボラによく翻弄されます。
 天然のタイも学習能力があるらしく、定置網のおこぼれを食べにいつも決まった時間(操業時間)に網の外にやってきます。遠慮しないで網の中に入ってくれればいいのに…。

山と海はつながっている

ネンブツダイ(左)とミズイカ(右)
ネンブツダイ(左)とミズイカ(右)

 「イカの女王」と呼ばれるミズイカは、春になると大きいもので3~4キロになる大型のイカです。孵化~成長~産卵~死亡という一生を、わずか1年で終えます。産卵すると死んでしまうので、ミズイカの産卵期を知るのは漁師にとって大事なことです。
 もちろん、暦通りにはいきません。
 野母崎で昔から言われているのが、山に自生するオニユリの花が咲いたらイカがいなくなる(産卵を終えて死ぬ)ということ。確かにこれは当たってます。

魚って面白い!

意外とおとなしいシュモクザメ、3メートル
意外とおとなしいシュモクザメ、3メートル

 この他、「網が汚れるとアイゴが入る」「タチウオのオスの数はメスの数百分の1」「エソが釣れるとタイがいる」など、色々言われています。
 魚を生き物として見るとそれぞれ個性があり面白く、感心して、納得して、未だに発見があります。
 よく、定置網体験に来た家族連れの子どもさんは「かわいい!」「カッコイイ!」「ヌルヌルしてる」「不思議な形」などいろいろ感想を言ってくれて私や乗組員のじいさんたちを楽しませてくれます。
 ちなみに親は「おいしそう…」「これ、高いの?」の2つだけです…。

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このレポートへの感想

日本で長く魚屋に勤めており、現在海外でも魚屋勤めです。海外では獲れる魚も若干違いますがミズイカがたった一年の生涯で、バショウカジキが夫婦でペアで網にかかっているなど魚をいる立場なのに少し悲しくなってしまいました。。しかしこうして我々は魚の海の恵みとして頂いているのでお客さんに「美味しかった」と言っもらえるように務めいます。これが魚屋の使命です。勉強になりました、ありがとうございます。
(2014.05.31)

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