米国Priceline Group (Nasdaq:PCLN)のグループ企業で、アジア大手のホテル予約サイトAgoda.comが、環境問題に対する意識の高い個性豊かなアジアのホテル6軒をシリーズでご紹介しています。昨今は、環境にやさしい経営だけにとどまらず、周辺コミュニティーへの貢献やエコ知識に関する啓蒙活動を視野に入れた経営を行うホテルが増えてきました。今回は、シンガポールとスリランカからのレポートです。
海運業から高級ショッピングモールの運営など、あらゆる分野で世界のリーダーとなりつつあるシンガポール。ただし、この国での天然資源には限りがあります。
シロソ ビーチ リゾートは、この小さな島国の中で環境に責任を持つホテル経営という新しい境地を開拓したホテルです。敷地の75%が屋外となるように設計されたホテルは、周囲の地形保全のために可能な限り土壌の採掘をしない細心の配慮のもとで2003年に建設されました。自然の涼がそよぐルーフトップガーデンでは、料理に使用されるハーブや館内を彩る花が栽培されています。エアコンが排出する温風は温水の加熱に用いられ、また、地元の食材を利用することで、遠方からの輸送による大気汚染の抑制に努めています。食べ残しの食材は肥料として使われており、残飯と言えども無駄にされることはありません。さらに、美しく建造されたプールには、地下から湧き出る天然水が利用されています。ゲストがホテル滞在を終えた後も環境保全対する関心を持ち続けられるように、ホテル収入の一部を使って啓蒙的な現地エコツアーを実施しています。
重要なユネスコの世界遺産であるシンハラジャ森林保護区【1】の端という信じられない場所に建てられたザ レインフォレスト エコロッジは、自然との調和に多大なる努力を払っています。スリランカのエコツーリズム推進のために、スリランカの観光業界がUSAID(米国国際開発庁)と提携し、その後浮かび上がった構想から作られたこのロッジには、16棟の客室シャレー【2】に使われなくなった輸送用コンテナが利用されています。プライベートデッキ付きのシャレーの内部は、再利用の竹材で美しく装飾され、近代的な設備も完備されています。地元で採れた食材を使った美味しい料理に舌鼓を打つだけでなく、滝までの森林散歩をしながら、世界随一と言われる自然の宝庫の中で絶滅危惧種に目を凝らしたり、バードウォッチングを楽しんだりすることが可能です。係員付き駐車サービスや超高速インターネットは利用できませんが、巨大な熱帯雨林の端にあるホテルでは、こうした不便ささえも贅沢な体験と言えるのではないでしょうか。
ホテル周辺コミュニティーに向けた福祉プログラムとして、エンスルワット茶農園と提携しています。この農園は、スリランカ社会の外れで長い間孤立し無視されて暮らしてきた37家族により運営されています。USAIDとゲストからの収益に助けられ、コミュニティーは以前より充実した医療、教育、社会福祉を得ることができるようになり、今までなかったスキルを習得できるようになるまで発展しています。
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