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「現代狩猟生活入門」バックナンバー

0092010.10.05UP実りの秋の採集生活

食べられるドングリ

シバグリは小粒だが味は良い
シバグリは小粒だが味は良い

 イノシシの大好物はドングリです。秋にタップリとドングリを食べて脂肪を蓄え、冬を乗り切ります。ドングリの多い山のイノシシの肉は大変美味しいです。近年日本でも人気のあるスペインのイベリコ豚は、ドングリの森で放牧して育てた豚だそうです。食べたことはないですが、イノシシの肉に近い味がするのではないでしょうか。
 ちなみに、ドングリというのはブナ科の植物の果実の総称です。我が家の裏山にもコナラ、アベマキ、クヌギ、アラカシ、マテバシイなど、沢山の種類のドングリが実ります。たいがいのドングリは渋味がきつく、渋抜きをしないと食べられませんが、シイの木のドングリだけはそのまま食べられます。
生でも食べられますが、炒って食べると香ばしくて美味しいです。シイの木は春先に咲く花が鮮やかな黄金色をしているので、この時期に木のある場所をチェックしておくとよいでしょう。
 同じブナ科では、シバグリと呼ばれる野生種の栗も渋抜きせずに食べられます。というわけで、秋はこの2種類の木の実を拾い集めるわけですが、当然イノシシたちも目を光らせているわけで、うっかり時期を逃すと全部食べられてしまいます。

山の果物

サルナシ採りは夢中になります
サルナシ採りは夢中になります

 ドングリ以外にも、秋の山にはいろいろな果実が実ります。どこにでもあって簡単に採れるのがマタタビです。マタタビの実は果実酒を作るのに利用できますし、塩漬けにして食べることもできます。マタタビは春に葉っぱが白くなるので、その頃に川沿いや山際などを探すとすぐに見つかるでしょう。その際に葉っぱを収穫して乾燥させれば、お茶としても利用できます。また、マタタビの茎はツル状になっており、それを編んでカゴなどを作ったりもできます。
 沢沿いなどをもう少し上がっていくとサルナシの木を見つけることができます。これもマタタビと同種のツル植物です。結構高い木に巻き付いていることが多いですが、そのツルを引っ張って、木をいためない程度にゆすれば、沢山の実が落ちてきます。サルナシはキウイフルーツの近縁種で、ほとんど同じ味がします。そのまま食べても美味しいですし、ジャムや果実酒にすることもできます。
 アケビも身近な果実のひとつです。山で見つけると必ずひとつはもぎ取ってその場で食べます。甘い果肉だけでなく、皮の部分も揚げ物などにして食べることができます。他には、たまにエビヅルというヤマブドウの一種を見かけることがありますが、私の行く山にはあまりありません。

川の恵み

モクズガニはカニ味噌が濃厚
モクズガニはカニ味噌が濃厚

 秋になると川では産卵のシーズンがやってきます。モクズガニという大きなカニは、河口部での産卵に向けて川を下りはじめます。モクズガニは、中華料理の高級食材である上海ガニの近縁種で、これを、入ったら出られない構造のカゴなどを使って捕獲します。大変美味しいカニです。
 アユも川を下って産卵場所に集まってきます。このアユを落ち鮎と言います。産卵時期は禁漁になっていますが、シーズンが終わると再度解禁となります。産卵を終えたアユはもう死ぬだけですが、それらを狙った巻網【1】による落ち鮎捕りにもでかけます。たまにまだ抱卵しているアユも網にかかります。そういうのが捕れるとちょっとうれしくなります。

 そんなこんなで秋も忙しくしているうちに、気づけば今年も狩猟の解禁日が迫ってきます。

用語説明

【1】巻網
幅1m弱、長さ15mくらいの細長い網で、上部にウキ、下部におもりが付いているいわゆる刺し網。それを川の流れに垂直に張ったり、鮎の居そうなポイントを円形に囲んだりすると、驚いた鮎がその網に引っかかるという仕組みです。

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