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「知って感じる映画」バックナンバー

0052015.02.03UP田舎暮らしにあこがれる人は観るべし

四季をめぐるストーリーの完結編

リトル・フォレスト冬・春

 昨年夏公開の「リトル・フォレスト夏・秋」の続編であり完結編となる「リトル・フォレスト冬・春」が、2月14日に公開されます。
 “一度は街に出たものの自分の居場所を見つけることができず、故郷に戻ってきたいち子が、東北の美しくも厳しい自然に囲まれた自給自足の生活を通じて、自らを見つめ直していく”というストーリー。
 後編となる「冬・春」では、いち子が高校生のときに突然いなくなった母との関係や、いち子が故郷に戻ってきたいきさつなども織り交ぜながら、話が展開していきます。

リトル・フォレスト冬・春

 東北地方のとある小さな集落での日常を、そこに暮らす主人公・いち子の成長とともに描いたこの映画は、実は田舎暮らしが好きな人、あこがれている人にオススメです。田んぼや畑仕事にちょっとした家の修繕、山菜や川魚、木の実など里山の恵みを使った料理、雪を利用した天然冷凍庫を使った保存食づくりなど、田舎暮らしの日常をあますところなく描いていて、田舎暮らしの夢がふくらむこと間違いなしです。
 映画は、五十嵐大介さんの原作コミックのストーリーを忠実に表現しながら映像の美しさも追求していて、また、四季を通じた田舎生活を淡々と描いているので、まるでドキュメンタリーのような場面もあり、いわゆるマンガの実写版とは一線を画した仕上がりになっています。

ふとした瞬間に思い出される風景

リトル・フォレスト冬・春

 冒頭のシーンでグッと胸をつかまれたのが、舞台となる岩手県の山あいの集落の景色の美しさでした(夏・秋編のときもそうだったのですが)。映画が見せてくれる美しい景色は数えきれないほどありますが、いつまでも頭から離れないシーンはそれほど多くありません(単に私の記憶力がないためかも…)。
 映画で忘れられない景色といえば、私は断然、アン・リー監督の「ブロークバック・マウンテン」で観たアメリカ中西部の山々なのですが、「リトル・フォレスト」の景色もいち押しです! しんしんと雪が降り積もった冬の空気、生命が一気に動き出す春のゆらめき。大陸の雄大な景色とまったく対局にある日本の情景は、映画を観てからしばらく経ったいまでも、目を閉じると浮かび上がってきます。
 撮影はオールロケで約1年間、春夏秋冬を丁寧に追ったものだったとのこと。だからこそ、その場の風景だけでなく空気感も伝わってくる映像が撮れたのかなぁと思っています。

リトル・フォレスト冬・春

リトル・フォレスト冬・春

生きるために食べ、食べるために作る

リトル・フォレスト冬・春

 この映画のもうひとつのハイライトは、“食”です。
 アズキのマフィン、ばっけ味噌、つくしの佃煮、塩マスとノビルと白菜の蕾菜のパスタなどなど、そこで採れる食材を活かした料理やお菓子がおいしそう! いや、きっと本当においしいはず。

 「リトル・フォレスト」のキャッチコピー“生きる=食べる=作る”というフレーズで、「聖者たちの食卓」というドキュメンタリー映画を思い出しました。日本では「黄金寺院」として知られているインドの寺院 ハリマンディル・サーヒブで、毎日休むことなく、そして人種や階層に関係なく、なんと1日約10万食! もの食事が無料で提供されている様子をただただ撮り続けているドキュメンタリーです。作って、食べる…それだけなのに、それだけだからか、生きるために食べることの普遍的な力、尊さを、まったく異なるこの2つの映画は見せてくれています。

リトル・フォレスト冬・春

リトル・フォレスト冬・春


リトル・フォレスト冬・春

 『リトル・フォレスト』冬・春編は2月14日からロードショー。昨夏公開された夏・秋編はDVD化されたので、先に観て予習してから冬・春編を観るのもよいのでは。


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