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「本やウェブでエコを知る」バックナンバー

0022013.08.27UP児童書の世界を楽しむ、ものがたりライブとおもちゃの話

小淵沢の「ものがたりライブ」

杉山さん宅に掲げられた、ものがたりライブの案内。
杉山さん宅に掲げられた、ものがたりライブの案内。

ものがたりライブの手描きのチラシは、小淵沢の道の駅にも置かれている。
ものがたりライブの手描きのチラシは、小淵沢の道の駅にも置かれている。

 この夏、小淵沢の「なぞなぞ工房」を訪れた。『用寛さん』『青空晴之助』などの子供講談シリーズや『あなたも名探偵』シリーズといった児童書作家として知られ、近年はストーリーテラーとして活躍の場を広げている杉山亮さんの自宅書斎で開催する「ものがたりライブ」に参加するためだ。
 8月1日から31日までのほぼ毎日、午後1時および午後2時半に開始する1回約40分のトークイベント。うち11日間は、夜8時から始まる「夏のおばけ話ライブ」も実施されている。参加費は、1回1人500円とリーズナブル。1人でも、親子でも、大人同士でも参加は自由。予約も不要で、ふらっと出かけて参加できる。JR中央本線の小淵沢駅からタクシーで約7分、中央道の小淵沢ICから車で5分ほどとアクセスもよい。
 埼玉県の長瀞から越してきて今年で8年目、毎年開催してきた「ものがたりライブ」も今年で8年目を迎えるという。おばけ話ライブは、2年目に始めたから7回目の夏になる。開けた草原と森の中の別荘地帯。時折、近くの森の小途を走り抜けるマウンテンバイクの人たちの姿も見られた。

 ものがたりライブの内容は、ちょんまげ時代を背景にした講談調のオリジナルのストーリーテリングを各回3~4話ほどと、合間に簡単なおもちゃの工作や紹介もあった。
 例えば、用寛さんとんち話「夫婦まんじゅうの巻」。和尚さんのお遣いに出かけた小坊主の用寛さんが、もらったお駄賃で、名物「夫婦まんじゅう」の茶店のインチキ当て物に挑戦し、見事とんちで切り抜けるという、笑いとハラハラドキドキに我を忘れて引き込まれていく。役になりきって声色を変えつつ、ストーリーが展開し、最後のオチで大円団を迎える。

 20時に始まる夜の部「おばけ話ライブ」では、電気を消した中、ろうそくに火を灯して雰囲気を演出する。
 おばけ話がされなくなって、世代間で“怖さ”に対する共通のイメージが持てなくなっていると言う杉山さんだ。
 「柳の木の下に白い装束の女の人が…」といえば、大人たちはゾクッと背筋に冷や汗が出るが、子どもたちはキョトンとしている。そんなところから説明していかないとならないから、近頃のおばけ話もややこしい状況になっている。

気分を形にする

美術館の特別展に飾られていた杉山作品の数々。
美術館の特別展に飾られていた杉山作品の数々。

 杉山さん、かつて30代の頃は、おもちゃ作家として糸鋸を使った木工作品などを作っていた。ちょうど、富山県の美術館の特別展に飾られていたその頃の作品が戻ってきたと、紹介してくれる。
 「おもちゃ作家の仕事というのは、自分がおもしろいと思った“気分”を形にするものなんです」
 そう話す杉山さん。複雑な技巧を凝らして、おもちゃの中で世界観が完結するよりも、おもちゃを介して遊びが始まるようなきっかけづくりの装置になるようなものを作ってきたという。

 例えば、玄関箒に星などの飾りつけをした「魔女の箒」。子どもたちがまたがって、家じゅう走り回って空を飛んだ気分になるというおもちゃだ。
 「実際に、思い切り走り回ってくれますね。飽きる頃には掃除をしている、そんなおもちゃです」
 ハンドル型にくり抜いたベニヤ板にパンツのゴム紐をつけた作品は、自動車の運転手になるためのもの。パンツ紐がシートベルトになる。
 「カシャっとつけたときに、機械と自分が一体化するような気がして、ちょっとうれしくなります。そんな気分を形にした作品です」
 電子レンジのおもちゃには、自転車のベルがついている。扉を開けてお椀を入れて、扉を閉めてしばらく待つ。ベルを「チン!」と鳴らせば、できあがり、というわけだ。

 今は、「おはなし迷路」などの印刷物は扱っていても、木工作品は作っていないから、貴重な品々だ。

「おもちゃ絵」で遊ぶ

杉山宅のデッキに飾られた「おもちゃ絵」の数々。
杉山宅のデッキに飾られた「おもちゃ絵」の数々。誰もが知っている古典的なものがたりをベースに、文字を追って迷路を抜けていく「おはなし迷路」では、いつの間にやらおかしな話が展開し出すと、多分それは行き止まりの迷い道。杉山さん作の人気作品の一つで、販売もしている(サインのお願いも可)。

 なぞなぞ工房で扱っている作品には、児童書などの他、「おもちゃ絵」と呼ばれるものもある。これは、一枚の絵の中におもしろさをつめこんだもののこと。代表的なものには、双六があるし、雑誌の付録等についてくる塗り絵や紙製の組み立て模型などもこれらの中に含まれる。おもちゃと絵の境界線にあるジャンルのもので、江戸時代から浮世絵などとしてさまざまに残されているという。
 なぞなぞ工房では、そんなおもちゃ絵を今の時代に合うようにして作っている。縦78cm、横54cmの大判で、部屋の壁に飾ったり、トイレの扉に貼って一人で楽しんだり、教室や保育園、図書館などで大勢の目に触れるところに飾ったりしても楽しい。
 迷路の形をとったものが多いが、必ずしも迷路そのものを楽しんでもらうのが目的でもないという。絵地図の中のあちらこちらに隠されたギャグや暗号の数々。細かく見ていくといつの間にやらニヤニヤとほくそ笑んでいる自分に気づいたりする。

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