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「スマート・ハウスはどう進化していくか?」バックナンバー

0042018.03.13UPZEHと人工知能(AI)

スマート・ハウスの神経系(HEMS)はどう進化していくか?

【図01】ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の概要(出典:資源エネルギー庁「2006年版エネルギー白書、第1部第2章第2節 省エネルギーの推進」)
【図01】ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の概要(出典:資源エネルギー庁「2006年版エネルギー白書、第1部第2章第2節 省エネルギーの推進」)【2】

 前回の連載の第2回目でスマート・ハウスの神経系であるHEMS(Home Energy Management System)の説明をしました【1】。これは情報通信技術(ICT:Information&Communication Technology)を活用して、家庭内のあらゆる電気機器を監視・管理して電力を初めとする各種エネルギー源や水などの資源を有効活用しながら快適な生活空間を実現しようとする仕組みでした(図1:前回連載から再掲)。そのためHEMSを活用するには、家庭内のあらゆる家電や通信機器がICTによって家庭内外のネットワークでつながることが必要です。
 このHEMSを、今、さらに大きく進化させる可能性が出てきています。大きく2つの要因があります。
 1つ目は、人との関係性を考えながらいろいろなモノを賢く機能させる人工知能(AI:Artificial Intelligent)の実用化です。
 2つ目は、HEMSの基盤となっているICTに関して、「いろんな電気機器」がインターネットとつながるというレベルから、センサー(無線/有線)を介して「あらゆるモノ」がインターネットにつながるという「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」へ急速な進化を遂げたことです。
 そこで、スマート・ハウスに関連して、今回と次回でAIとIoTの可能性について多少空想的な内容も交えて紹介したいと思います。まずはAIについてです。

人工知能(AI)の実用化

 人口知能(AI)というと、最近よく話題になるのはAI搭載の将棋ソフトと棋士とが対戦する電王戦です【3】。2012年から毎年開催されており、この間の将棋ソフトの進化は目覚ましく、戦績はプロ棋士に黒星が続いています。奇しくも、この原稿を執筆中の2/17(土)、藤井聡太五段が第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝で羽生永世七冠を、決勝で広瀬八段を破って中学生初の棋聖戦勝者になりました (まったく、驚きです!)。この勝利は、もちろん本人の資質やたゆまぬ努力の賜ですが、藤井さんも将棋ソフトを利用して研究している事はよく知られています。
 AIのここ数年間の進化は恐ろしいほどで、具体的な実用化も進み次々と新商品が開発されています。その中でも特に身近で具体的な事例を2つご紹介します。

AIスピーカー

【図02】Google Home(本体)(出典:© Google Home)

【図02】Google Home(本体)利用例(出典:© Google Home)
【図02】Google Home(本体)と利用例(出典:© Google Home)

 1つ目はAIスピーカーと称される商品です。2017年10月にGoogle(図2)やLINEが発売した後、AmazonやApple社も次々と市場導入しました【4】【5】【6】【7】。これまでの「音を再生するだけの機器」から、「ユーザーとコミュニケーションできる音を出すモノ」への変革です。
 具体的にはユーザーと「声」でコミュニケーションをとりながら、いろいろなサポートやサービスを提供します。例えば、「リラックスできる音楽を聴きたい」と話しかけるとリストの中から好みに合う音楽を選んで再生したり、「明るくして」と言うと適正な明るさに照明を調節したりと機能します。
 その他、家庭内の各種電気機器の調節はもちろん、電話をかける/受ける、スケジュール確認、天気予報の確認、ラジオニュースを聴く、読書、翻訳、買い物の注文、夕飯のレシピなど、スピーカーと対話しながら実行することができます。
 さらに、癒やしやエンターテインメント的相互機能もあり、例えば次のような会話もできます。

(ユーザー)  仕事いきたくない!
(AIスピーカー) 行きたくないと思うときもありますよね!?

 このようなAIスピーカーが1~2万円程度で買えるような時代になっています。

生活に入ってきたロボット

【図03】KIROBOmini(TOYOTA)(出典:© TOYOTA)
【図03】KIROBOmini(TOYOTA)(出典:© TOYOTA)

 もう一つはロボットの進化です。AIスピーカーが「動かない(静体)AI」なら、ロボットは「動く(動体)AI」と言えます。ロボットというと、すでに産業用ロボットはかなり以前から実用化されており、工場の生産ラインでも大いに活躍しています。
 これに対して、人の暮らしとの関わりで開発が進められているロボットの代表格が人型ロボットです。手塚治虫さんの「鉄腕アトム」(1950~60年代)【8】を理想型として、これまでやpepper(SoftBank)【9】などの人型ロボットが次々と開発されてきました。昨年(2017年)には、TOYOTAから「クルマ・家・社会と人を繋ぐ存在」を目指したKIROBOmini【10】(図3)が発売されました。
 いずれも人のより良きパートナーになれるよう高度なコミュニケーションの実現を目標にしています。そして、これらのロボットはすでにオフィス業務を一部サポートしたり、営業活動に活躍したりしています。


 人型以外では、21世紀をまたいでソニーが発表したエンタテインメントロボット:AIBO(アイボ)【11】が電子ペットとして大きな反響を得ました。その後、開発は一時中断されましたが、昨年(2017年)、新型がaibo(小文字)に改称し大幅に機能を向上させて再登場しました(図4)。
 AIとクラウドサービスに支えられ、本物の犬と同じように飼い主(ユーザー)との日常的なコミュニケーションによって反応や振る舞いが変わっていき、愛らしさを増していく仕様になっています。ちなみに、クラウドサービス とは、インターネットを介してPCや携帯に必要なアプリケーションやコンテンツを大規模サーバーから提供する仕組みのことです。

【図04】AIBO(Sony)、第1世代(1999~2006年)(出典:© SONY)

【図04】AIBO(Sony)、後継機(2017年)(出典:© SONY)

【図04】AIBO(Sony)、左:第1世代(1999~2006年)、右:後継機(2017年)(出典:© SONY)


 AIの技術進化とその応用は目覚ましく、ここ数年でも大幅な進化を遂げています。数年前には夢のようだったモノが、今は一見いとも簡単にできてしまい、しかも一般消費者にも買えるレベルになっています。AI機器やシステムがどんどん普及してくると、家庭内の暮らし方はどんな風にかわってくるのでしょうか?
 こうしたAI技術の開発と応用がスマート・ハウスの進化として結実するには、もう一つの重要な要素が必要になります。それが、次回紹介する「あらゆるモノがインターネットとつながる状態:IoT」です。AI機器が機能するために必要な外部情報を感知するセンサーとしてのIoTの進化と可能性について具体的な事例とともに紹介していきたいと思います。


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