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「旬の野菜トリビア」バックナンバー

0062010.04.06UP春はオトナになる季節

動物の場合

 世の食べ物は、塩などのミネラル以外、もともと「生き物」の体なワケです。そして人間もそうですが、肉食や雑食の動物は、他の動物を食べて生きてます。食べられる側の動物がもう十分子孫を残した年取ったオトナであれば、「子孫残したし、まあいいか」とあきらめもつくかもしれません(簡単にあきらめて逆らわずに食べられる動物もめずらしいと思いますが)が、だいたいの生き物は小さい時の方が食べられやすい。その頃の方がやわらかくてうまいからなおさらです。僕らニンゲンだって肉を食べるのはだいたい、鶏にしても牛にしても若い肉ですね。年取った動物の肉はたいてい、固いしニオイもきつい。

 かといって子どもを全部食べられたんじゃ、遺伝子を残せません。そこで弱々しくて食べられやすい生き物(魚とか)ほど、「たくさん産む」、すなわち「数撃ちゃ、何匹かは生き残る」作戦をとるなど、みんな子孫残すのに必死なわけですね。

植物の場合

 植物の場合、実が熟せば中でもう種子ができているので、その実を動物に食べてもらう事は、殻が固くて消化されない種子を、フンにまぎれてあちこちにばらまいてもらうことになる。
 それに対し、ある資料に書いてありましたが、葉ものや根ものや未熟な実の状態で出荷されるキュウリ、などの、種子を作る前の段階の野菜たちは、本人たちが「うわ~、これから子孫残そうと思っていたのに!」という段階、すなわち「食べて欲しくない段階」に食べられてしまう野菜なのだそうです。
 しかしワタクシ、こうも思うわけです。おいしい野菜であれば、その野菜を残すために人間はいくつか残して、花を咲かせ実らせ、種子を採り続けていく。つまりこれはこれでその種は子孫を残せているわけで、植物冥利に尽きるのではないのでしょうか?

「トウが立つ」は禁句?

トウ立ちほうれん草
トウ立ちほうれん草

 さて話変わって、春になってまいりました。いろんな生き物が浮かれてくる季節ですが、僕ら野菜を扱う仕事の人間は、浮かれてもいられない、ある事に悩まされることになります。

 ほうれん草や小松菜、キャベツなども「今まで頑張ってきたのも子孫を残すため!暖かくなったから、ひと花咲かせたるあ!」と、はりきるわけです。
 その結果、「トウ」を立ててしまうんですね。ムツカシく言うと「抽苔(ちゅうたい)」。花をつける準備をするために、花用の茎をニュル~と伸ばしてしまう事を言います。

 こうなると、葉っぱや茎は固くなって、おいしくなくなってくるのです。要するに「オトナ」になってしまうわけですね。
 そこから転じ、人間にも、盛りを過ぎた意味で「トウが立つ」という言葉が使われたりして、妙齢な女性に言うと殴られたりします。しかし見方を変えれば、まさにこれから花を咲かせる状態、とも言えるワケですが。

春のオトナな悩み

 トウやつぼみ自体は、花が咲く前は柔らかいので、ブロッコリーやカリフラワーなどは、つぼみを食べる野菜として成立してますが、オトナに近い状態なので、茎や葉自体はかなり固くなっちゃってますよね?菜花は例外的に、トウが立っても茎や葉っぱが柔らかくて食べやすい野菜。
 しかし、ほうれん草や小松菜など多くの葉ものは、トウが立ってしまうと葉や茎が固くなって、野菜として「失格」。
 ところがキャベツなどは外見からよくわからないので、その判断がムズカシイ。春キャベツなどは巻きが柔らかいので、流通している間に、中でトウが大きくなって、「ボン!」とけっこう大きな音を出して「爆発」する事があって、びっくりします。こんな「春の椿事」も起こるこの季節。楽しいような悩ましいようなフクザツな気分の季節なワケでございます。

キャベツ、トウが立つとこんなになります
キャベツ、トウが立つとこんなになります

サニーレタスも、放っておくとこんなに・・・
サニーレタスも、放っておくとこんなに・・・

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このレポートへの感想

春キャベツを買うと中に隙間が多い理由がやっと分かりました。トウが立ち始めていたんですね。
これからも身近な野菜についてのお話を楽しみにしています。

(2010.05.08)

仕事中の気分転換に覗いてみました。大人の文章ですねえ。

私もトウがたっていますが、これからひと花咲かせたいと思っています。ふふふ・・・。
(2010.04.07)

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