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【ドイツ】2025.11.03 発表

ドイツ、EUにおける資源消費が途上国の生物多様性に及ぼす影響に関する研究結果を公表

ドイツ連邦自然保護庁(BfN)の委託で実施された研究において、欧州連合(EU)における大量資源消費が、特にグローバルサウス(新興国や途上国)における深刻な生物多様性の損失を招いていることが明らかになった。

研究は、連邦自然保護庁の委託を受けたドイツ生態経済研究所(IÖW)とハイデルベルク・エネルギー・環境研究所(ifeu)が実施したもの。
エビ、大豆、パーム油の3品目に焦点を当て、EUにおける消費行動が生物多様性に及ぼす影響を分析した。
EUのエビ消費量は過去10年で60%増え、2023年の輸入量は40万4000トンに達しており、エビ養殖施設の集約化がマングローブ林の破壊を引き起こしていることが明らかになった。
ブラジルからの大豆の輸入は、2022年は12万5000ヘクタール分の自然生態系の消失につながり、さらに全体ではEUの需要を満たすためにグローバルサウスで480万ヘクタール(スロバキアの面積に相当する大豆畑)が必要とされていることが明らかになった。
パーム油の生産も熱帯雨林の種の生息地を脅かし、泥炭地の排水により大量のCO2排出を引き起こしており、EUにおける需要を満たすためのパーム油の栽培に約150万ヘクタールが使用されていることが分かった。

研究では、EUにおける消費による生物多様性への影響が政治・経済上の決定の結果である一方、生物多様性フットプリントは政策の見直しによって大幅に縮小できることを指摘している。
そのためには規制、財政、市場メカニズム、自主的な取り組み、貿易政策を組み合わせた対策が不可欠だとしている。
さらに、森林破壊防止規則(2023/1115)の実効的かつ社会的に公正な運用、グリーンクレーム指令の早期採択、環境に悪影響を及ぼす補助金の廃止や改革、持続可能な消費への誘導策、公共調達における生物多様性基準の義務付けが提言として挙げられている。
さらに、過剰消費の抑制と必要十分性の推進を地球の限界内でよい暮らしを営むための基本的条件として示している。

研究はプロジェクト「自然と両立する消費」の一環として実施されたもので、ファクトシートや政策ブリーフもあわせて作成された。
研究の成果は国連のOne Planet Networkの国際作業部会「生物多様性&消費」と共同で開催されるオンライン会議で公表される。

【ドイツ連邦自然保護庁】

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