マングローブ林

[ マングローブリン ]

解説

マングローブは、熱帯、亜熱帯の河口や海水から汽水域の海岸(潮間帯)に成立する森林を構成する樹木の総称。林の名前として呼ぶときはマングローブ林、あるいはマンガルという。

マングローブ植物は世界で100種あまり。日本では主に南西諸島にオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなど4科7種が分布している。

潮間帯に生育し、特異な形態の気根(呼吸根)を示す種が多い。上流から流下した有機物をとらえて大量のプランクトンを発生させ、多くの稚魚や甲殻類、ベントスを育成する場となる。また、材からは良質の炭が取れ、家を造る木材としても利用される。

かつてマングローブ林は漁業のみならず住民の生活全般を支える資源であった。しかし、錫鉱採掘、商業資本による工業用炭の生産、エビ養殖場の開発などのため1980年代には世界中で急速に減少。1990年代に入ってからは活発な保護活動や、マングローブ林の使用禁止などの措置が各国でとられるようになり、減少傾向は落ち着いてきている。

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