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[海外エコニュース一覧]

【国際機関】2020.03.20 発表

北極評議会、北極淡水生物多様性の5つの傾向を報告

 北極評議会の北極圏植物相・動物相保存(CAFF)作業部会は、北極圏全域にわたる淡水生物多様性の評価を初めて実施し、報告書を公表した。北極圏には極寒の環境と変わりやすい気候条件に適応した数多くの固有種が生息し、特に湖や河川の淡水生態系は飲料水、食糧、発電など貴重なサービスを人と動物種に提供しているが、気候変動と開発が生態系の健全性を脅かす変化を加速させている。報告書は重要な情報として以下の5点を示した。
1)気候変動は北極圏の淡水生物多様性にとって最大の脅威のひとつである(永久凍土の融解による河川への泥などの流入、南方の種の北上による冷水種の絶滅危機など)。
2)フェノスカンディア地方など、極地内でも比較的温暖で大陸本土と地理的に連続した地域は、概して生物多様性が豊かである。
3)気温は淡水生態系に影響を及ぼす最大の要因だが、他にも気候、地理的連続性、地質等の要素が影響する。
4)過去200年に起きた淡水生物多様性の変化は、温暖化が著しい地域で特に大きかった。
5)既存のデータでは生物多様性のパターンの全容を把握するには不十分であり、さらなる調査が必要である。
【北極評議会】

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