河川

[ カセン ]

解説

日本の河川は、国土が狭く山地が多いため、(1)流域面積が狭く急流、(2)洪水のピーク流量が大きい、(3)流出土砂が大量に発生しやすいという特徴を持つ。

河川の生態系は、通常、流域の地形等から源流域、上流域、中流域、下流域、河口域に分類されるが、河川生態系の本質はこれらの流域が水を軸とした系として連続しているところにある。しかし、日本の河川は、そのほとんどがダム等で分断されており、本来の生態系を失っている。

河川は、飲み水や農業用の水など水資源として、地域住民の憩いの場として、また、時には洪水など災害をもたらすものとして人々の生活に大きく関わっている。

河川に流入する汚濁有機物は、河川水及び底質中に存在する水生生物により浄化される(河川の自浄作用という)。しかし、日本では1960年代頃から、事業場からの排水や生活排水の処理が充分ではなかったため、自浄作用を越える汚濁物質が流入し、河川の水質が急速に悪化した。今日、適切な「治水」「利水」「環境保全」を図る必要性が指摘され、河川法(1964・国交省所管)、水質汚濁防止法(1970・環境省所管)を中心としてさまざまな対策が講じられている。

なお、河川法が対象とする河川は、国土交通大臣が指定した一級河川(1999年時点で13,935河川)、都道府県知事が指定した二級河川(1999年時点で7,029河川)である(これらには湖沼も含まれる)。その他の河川は、河川法の一部を準用し、市町村長が管理する河川を準用河川、それ以外の河川を普通河川という。

詳細解説

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