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「石巻カーシェア道中記」バックナンバー

0052014.09.16UP車を使った社会貢献への道

 私たちは現場で様々な要望に応えるうちに、カーシェアリングの枠を超えた、車を使った様々な社会貢献に取り組んできました。今回は、それらを紹介したいと思います。

継続支援カーシェア

継続支援カーシェアの車で送迎活動を行うNPO法人移動支援Reraさん。
継続支援カーシェアの車で送迎活動を行うNPO法人移動支援Reraさん。

 継続支援カーシェアの取り組みは、移送支援を行っている「移動支援ボランティアRera」という団体さん(現NPO法人 移動支援Rera)からの相談が最初のきっかけになりました。送迎用の車が足りない、というのです。話を聞いてみると、復興の状況の変化や、助成金等によって財源が確保できるかどうか、またスタッフの増減といった諸条件に応じて、保有する車の台数を変えることができると、すごく助かるというのです。
 同じような状況は他の支援団体にもあり、継続的に支援活動を行っている団体に対して車を貸し出す『継続支援カーシェア』のサポートを開始することになりました。カーシェアリングの利用者と同じように、使用料はいただかず経費のみ負担してもらっています。支援団体を応援する事で石巻を応援しようという取り組みです。

就業支援・事業支援カーシェア

事業支援で車を貸し出した様子
事業支援で車を貸し出した様子

 ある日、20代の女性から車がないために就職活動に支障をきたしているという相談を受けました。石巻の中心部から少し離れた河南地区で丘の上に建設された仮設住宅に住んでいる方です。バイクで移動していたため通勤圏が限られるとともに、雨の日や雪の日が困るという話でした。彼女に3か月という短期で車を貸し出すことにしたところ、市内で仕事を見つけることができました。
 弁当販売の事業を震災後起業し始めた若い事業家の方からは、販路を拡大するために弁当配達に車を使いたいという相談を受けました。これも短期で車を貸し出し、事業に取り組んでいただきました。

 私たちは、石巻の一人一人が精一杯働いて街を支えていくことが復興の礎になると考えています。就業・事業といった仕事に直結する事にはできるだけ協力していきたいと思い、こうした車のサポートを行っています。ただし、これらのサポートは就職して生活が安定したり事業が軌道に乗ったりするまでの短期の貸し出しです。安定した状態になった折にはご自身で車を購入いただくことが健全であると思うのです。
 ここには大きな潜在需要と効果を感じており、体制を整えてより大きな貢献ができるように、現在準備を行っています。

自治連カーシェア

仮設の引越しで大型車が活用されている様子
仮設の引越しで大型車が活用されている様子

 被災地では引越しが頻繁に行われます。仮設住宅やみなし仮設から新しい場所へ移られるのです。そして、それが本格的に行われるのが、復興公営住宅が建設される2015年頃からだと予想されています。
 そうした引っ越し需要に対する支援として、私たちは仮設住宅自治会役員の連合組織『仮設住宅自治連合推進会』にトラックや大型車を貸し出しました。仮設住宅内の引越しで使用したい人が自治会に相談するとカンパで車が借りられるような仕組みです。こうして、日々引越しに車(現在は、三菱自動車工業さんの協力による電気自動車ミニキャブMiEVトラックを使用)が活用されるようになりました。
 仮設住宅から引越しされる人をご近所同士でお手伝いし、仮設を離れてからも関係が続くような、そんな機会になればと思っています。
 石巻市では、仮設住宅からの引越しの際に10万円の補助金が交付されます。引越し費用が節約できれば、新居での家具や家電等の購入資金に充てることもできます。みんなで助け合うことで、次の生活につながるサポートができたらと考えています。

支援団体を応援するレンタカー

レンタカーで石巻を巡る支援者の方々
レンタカーで石巻を巡る支援者の方々

レンタカーの貸し出しの様子
レンタカーの貸し出しの様子

レンタカーパンフレット
レンタカーパンフレット

 私たちがカーシェアリングとして貸し出している車は、役割を終えて返却されてきた際に車検更新までの期間が短いものもあり、継続して活用するための車検代をどう捻出するかが一つの課題になっていました。
 そんな中、2013年12月に私たちはレンタカー事業の免許を取得しました。
 車検の更新期限が迫っている車をレンタカー登録して、有料で車を貸し出すことで、車検代などの維持費に充てるのです。車検を更新した後には、再びカーシェアリングや上記の貢献活動に活用するサイクルを作る事にしたのです。

 被災地を訪れる人は年々少なくなっています。支援活動を継続する団体は、担い手や資金を確保するのに苦労している現状があります。そこで私たちは、支援団体のボランティアや経済的な支援をする人たちが半額で使用できるという会員制度を新設しました。支援団体の応援をしながら、同時にこれまで被災地支援などで石巻に足を運んでいただいた方々にもう一度来ていただく機会を団体と連携して作るのがねらいです。どの団体ともまだ縁のない方は、入会金として5,000円以上の寄付をいずれかの団体にしていただくことで入会できるようにしました。支援団体と関係ができることで様々な情報を受けとるようになって、被災地が身近になっていく、そんなことを目指しています。

地域貢献の一つのスタイルとして

秩父市の雪災害で石巻の軽トラが活用されている様子
秩父市の雪災害で石巻の軽トラが活用されている様子

 2014年2月に埼玉県秩父市で大雪の災害があった時、地元の市民団体から除雪用の軽トラを借りたいと要望がありました。石巻で使っていた軽トラを1台、石巻から秩父に運び、自治連カーシェアと同じスキームで活用していただきました。市民団体が窓口になって、除雪作業をしたい市民にこの軽トラを貸し出したのです。

 私たちは全国からたくさんの車を預からせていただき、たまたまそれらを活用させていただける立場にあります。ここ石巻で地域の復興・振興に貢献するための様々な実践を行ってきました。そしてこれからも先述の秩父市の事例にあるように他の地域でも実践できるような成功事例を一つでも多く作っていきたいと思っています。
 これらの実践によって様々な効果が生まれてくれば、それぞれの地域で中古の車を集めて必要な人たちのために活用していくという私たちのこのスタイルを各地に提案していきたいと思っています。


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