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「石巻カーシェア道中記」バックナンバー

0032014.04.08UPカーシェアリング的コミュニティ論

 私たちのカーシェアリングからコミュニティが生まれた事例が数例あります。今回は私たちの持ち味とも言えるであろう『コミュニティ』について紹介します。

仮設万石浦団地の事例

清掃活動の様子(仮設万石浦団地)
清掃活動の様子(仮設万石浦団地)

 2011年7月24日。私たちにとって最初の車を仮設万石浦団地に届けました。その団地は、様々な地域から集まっていたため、人間関係を一から作らないといけない状況にありました。
 カーシェアリングに関心を持ち、集会所に集まったのは5人。そこでどういうシステムでカーシェアリングを行うのか話し合っていただきました。話題は、すぐにカーシェアリング以外のことに発展しました。仮設住宅敷地内でゴミが散らかっていたりや近所同士の会話がなかったりといった、当時の生活で気になっていたこと等です。
 そんな会話から、月1回のゴミ拾い、週1回のお茶会が生まれました。そうするとその都度人が集まるようになり、新しくカーシェアリングを行うメンバーも増えました。そして一人暮らしのお年寄りがタクシーで病院まで毎週通っている様子などが話題に上がり、メンバーの一人がその方の送迎を始めたのです。
 2011年秋頃、石巻中の仮設団地では、行政主導で仮設住宅に自治会を作ろうという話し合いがもたれていました。しかし、なかなか自治会役員の引き受け手がおらず行政側は苦戦していました。一方、万石浦団地はその頃には既にコミュニティが育まれており、カーシェアリングのメンバーが役員になり、石巻で最もスムーズな形で自治会が形成されたのでした。

送迎活動の効果

送迎活動の様子(仮設開成団地)
送迎活動の様子(仮設開成団地)

 万石浦団地の事例の中にもあるような送迎活動を行う方が今、私たちの利用者には7~8人いらっしゃいます。住民同士の送迎活動は、お年寄りの見守りや、年金生活者や主婦のライフワークや生きがい等を生み、携わる人たちのQOL(生活の質)が高くなっている様子がありありと表れていきました。
 私たちは、基本的には、車が不足している方々へ、ご自身の生活のために使っていただくことを最優先に車を届けていきましたが、メンバーの中に前向きな方がいらっしゃると、「あそこのお婆さんが困っているらしいよ~」と提案を行い、助け合いの具体的な行動に結び付けていきました。『人柄のよい方に提案して、行動していただく』、それが私たちのコミュニティの作り方の全てです。
 『安心して乗れる車』と、『何か貢献したいという前向きな気持ちを持った方』とその気持ちを『後押しするサポート』があれば住民同士の送迎や乗合等が起こるのです。

コミュニティによるカーシェアリング

情報交換の様子(EVユーザー協議会)
情報交換の様子(EVユーザー協議会)

EVカーシェアを運営する仮設大森第4団地自治会
EVカーシェアを運営する仮設大森第4団地自治会

 被災地にも時間と共に新しいコミュニティが形成されていきました。私たちが今取り組んでいるのは、『コミュニティによるカーシェアリング』です。もう少し具体的に表現すると『自治会が運営するカーシェアリング』です。
 2013年8月に三菱自動車工業(株)の協力の下、電気自動車のカーシェアリングが始まったのですが、それらは全て仮設住宅自治会が運営しています(2014年3月時点で5箇所)。いずれの団地も送迎活動が行われ、車の経費やドライバーの確保等の課題を抱えてはいますが、この活動により移動を助けられ、見守られているお年寄りはたくさんいらっしゃいます。
 毎月2回、各団地のカーシェアリング担当者が集まり、情報交換を行いノウハウを共有するようにしています。車の維持費などは、各自治会が持ち回りで温泉旅行の幹事を行い、その参加費を車の経費に充てる(EV旅行)の試みも始まりました。結果として自治会同士の連携などもその情報交換の中から生まれました。
 災害公営住宅で自治会が運営する電気自動車カーシェアリングを私たちは目指し、現在仮設住宅ですすめています。送迎などの助け合いや旅行などの楽しみを生みつつ、万が一の時の予備電源として電気自動車の給電機能が活用され、さらに利用料を自治会ごとに設定し、自治会の財源となるようなモデルを作れたらと思っています。

カーシェアリング・コミュニティ・サポートセンターの役割

毎月利用者を訪ねるサポーター
毎月利用者を訪ねるサポーター

吉澤以外全員地元のサポートセンタースタッフ
吉澤以外全員地元のサポートセンタースタッフ

 地域の状況に応じた独自のルールの下、住民同士が助け合いを行っていくカーシェアリングをシンプルに『コミュニティ・カーシェアリング』と名付けました。被災地に限らずあらゆる地域に、こうした助け合いが起こりやすくなるような環境整備が必要だと思います。
 その一つが、今石巻で行われているようなカーシェアリング・コミュニティ・サポートセンターの設置です。センターでは全体的な車両の管理のほか、カーシェアリングの導入・維持・発展のためのサポートを毎月1回以上利用者を訪ねながら行っています。地域にポンっと車を置いておくだけでは、なかなか有機的に活用されないものです。そのコミュニティに応じた提案を要所要所で行い、主体的で持続可能な助け合いを縁の下から支えていく。これから本格的に迎える高齢化・過疎化の時代にこのサポートセンターは大きな役割を果たすと思っています。サポーターとしてのノウハウを地元スタッフ一人一人が蓄積しながら、他の地域の参考になる雛形をこの石巻で作れたらと思っております。


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