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「用語解説から読み解く環境問題」バックナンバー

0102018.08.21UP“てんげん”・“めんげん”って、何!?~上乗せ・横出し・裾下げ…規制のいろいろ

汚染物質の発生源

イメージ:工場の排煙
※写真はイメージです

 大気汚染や水質汚濁など、汚染物質の発生源は、“点源(てんげん)”・“面源(めんげん)”と呼ばれて区別されることがあります。
 点源(点汚染源)は、特定汚染源とも言われ、工場など特定の場所から汚染物質が排出されるような汚染源のことを言います。発生源を特定しやすいことから規制の対象とされてきました。パルプ工場や下水処理場から大量に排出される汚染水などがこれにあたります。一方、同じ点汚染源でも、畜産や浄化槽からの排水は少量ではあるものの多くが点在する汚染源といえます。このような小規模の点汚染源に対する規制は、一定規模以上の排水量のものを対象に実施されてきています(すそ切り規制)。

 点源に対して、排出を特定しにくい汚染発生源のことを、面源(面汚染源)もしくは非特定汚染源と言います。具体的には、道路の交通に起因する騒音等、屋根・道路・グランド等に堆積した汚濁、農地・山林・市街地などにおける落ち葉・肥料・農薬などを含み、汚染源が面的に分布し、風雨などによって拡散・流出して負荷の原因となる場合もあります。なお、道路からの大気汚染物質排出については、線汚染源と呼ばれることもあります。
 下水道における雨水幹線の整備や農業用水の循環利用といった個々の対策が推進されつつあるものの、汚濁発生源が広範囲でしかも負荷流出のメカニズムが極めて複雑であるという特性から、面源負荷量の定量化が難しく、これまで対策が遅れてきました。面源負荷に関する既往の調査・研究資料の整理、負荷流出特性調査およびリモートセンシング等を利用した土地利用・面源負荷分布の把握を行うとともに、これらのデータに基づいて面源負荷量の解析並びに面源負荷削減対策の検討・評価が必要と指摘されます。

汚染対策のための規制的手法

 環境政策の手法には、規制的手法、経済的手法、自主的取組手法、情報的手法などがあります。汚染対策として主に用いられてきた手法に規制的手法があります。社会全体として最低限守るべき環境の基準や達成すべき目標を示して、法令に基づく統制的手段を用いて達成しようとする環境政策手法のことです。生命や健康の維持のように社会全体として一定の水準を確保する必要がある事項を中心に活用されています。
 具体的内容は、行為規制(施設の立地や土地利用の規制)、パフォーマンス規制(施設の排出性能などの規制:大気汚染防止法による硫黄酸化物等の排出規制、硫黄酸化物・窒素酸化物の総量規制、水質汚濁防止法による排水基準、自動車排出ガス許容限度、自動車燃費基準、家電省エネ基準など)があります。
 この手法の特徴は、対策効果がすぐに現れる(即効性)、規制対象が比較的限定されている場合に有効、有害物質の規制禁止などは実施が容易、などがあげられます。課題は、規制の基準値を達成してしまうと、それ以上に汚染物質を削減する誘因が働かない、削減費用にかかわらず一律に規制するため、社会全体としては削減費用が大きくなるおそれ、規制の監視に莫大な費用がかかる、などがあげられます。このため、より低い費用で柔軟かつ効率的に政策目標を達成し得る手法(たとえば経済的手法)がある場合は、そのような政策手法へ移行または手法の組み合わせ(ポリシーミックス)が検討されるべきです。

一律ではない規制的手法

 規制的手法を進めるため、大気汚染防止法(1968)、水質汚濁防止法(1970)では、国が全国一律の排出基準、排水基準を定めています。しかし、自然的・社会的条件からみて不十分である場合には、地方自治体は条例でこれらの基準に代えて適用するより厳しい基準を定めることができます。これを「上乗せ規制」といい、この基準値を「上乗せ基準」と呼びます。
 国が定めた規制基準値より厳しい基準値を定めることが狭義の上乗せ規制ですが、広義には国が定めた規制対象施設の範囲をより小規模なものにまでひろげる場合(「裾下げ」という)や、国が定めた規制項目以外の規制項目を追加する場合(「横出し」という)も含めて使われます。
 また、汚染物質の発生施設ごとの基準だけでは環境基準の確保が困難な地域もあります。工場・事業場が集合している地域などでは、地域全体の排出総量の削減をするため、総量規制という手法が用いられています。
 地域を指定して、総量削減計画に基づいて、個々の発生施設ごとの排出基準よりも厳しい基準が設けられるのです。

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