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「かしこい省エネは、まちの電器屋さんに聞け!」バックナンバー

0012019.11.12UP地域の皆さんにより良い生活を送ってもらうため、行政と連携して省エネを推進

まちの電器屋さん:有限会社ヤナギサワ電機 代表取締役 柳沢武彦さん
家電メーカー勤務を経て24歳の時に実家であるヤナギサワ電機に入社。以来31年間、地域の人に頼られる「まちの電器屋さん」として、この道一筋。現在は長野県電機商業組合【1】長野支部支部長。長野商店会連合会常務理事。
平成30年、長野県「家庭の省エネサポート制度」、家庭部門の「省エネを普及させる検討会」委員
聞き手:一般社団法人長野県環境保全協会・長野県地球温暖化防止活動推進センター【2】事務局長 中山哲徳さん。
1957年、長野県生まれ。大学卒業後、長野県庁に就職し、主に、水質保全、廃棄物行政に従事。2018年より現職。
ヤナギサワ電機・柳沢社長(右)と長野県地球温暖化防止活動推進センターの中山事務局長(左)

ヤナギサワ電機・柳沢社長(右)と長野県地球温暖化防止活動推進センターの中山事務局長(左)


多様な世代が暮らす 三輪地区で60年続く「まちの電器屋さん」

長野市三輪地区に立地するヤナギサワ電機。

長野市三輪地区に立地するヤナギサワ電機。

 ヤナギサワ電機は今年で創業60周年。地域に根ざして暮らしや住まいのお困りごとに答えてくれる「まちの電器屋さん」だ。
 お店がある三輪地区は、1丁目から10丁目まである広い地域。地域の中には保育園、小中学校、高校、短大、大学と、さまざまな教育機関がある。柳沢さん曰く「市営住宅があり、子育て世代の世帯も多いのですが、反面、高齢者世帯や、子どもの家に引っ越しして空き家になった家も多く点在しています。いわばあらゆる年齢層が生活している地域」だそう。
 そこで、店ではどの世代にとっても直感的に伝わるような言葉や展示内容を心がけている。「専門的な内容を、可能な限り一般的な表現でお伝えしたいと思っています。地域密着が当店のスタイルなので、地域の出来事や関心事を織り交ぜた提案方法を心がけています」と話す。

会って話すからこそ伝えられること 「省エネ家電は環境にもやさしい」

店内の様子

店内の様子

 長野県は中山間地が多いということもあり、車の使用、冬の暖房にかかるCO2排出量が多い。2015年のデータによると、県の温室効果ガス総排出量のうち、家庭からの排出量は約400万トン。県で定めるエネルギー戦略では、2020年度の目標までにあと25%の削減が必要だ。
 長野県は、県の認定を受けた「家庭の省エネサポート事業者」にアドバイザーになってもらい、一般の顧客を相手にした仕事のなかで省エネアドバイスや省エネ診断を行う「家庭の省エネサポート制度」を実施している。昨年、平成30年度からは、柳沢さんなど「まちの電器屋さん」と協力して、家庭の省エネを推進している。県にとっても、実際に家庭のCO2排出量を減らす行動(=買い換え)に一番近いところにいる「まちの電器屋さん」との連携に期待するところは大きいだろう。
 実際、“古い家電を使っている”という意識の薄い人たちに対して、地域密着型の「まちの電器屋さん」は、省エネを働きかけられる存在として、大きな可能性がある。
 柳沢さんは冷蔵庫を例に挙げて「『5~6年使ったかな?』というお話を伺って、実際調べると10年を超えている場合がほとんどなんです。10年前の冷蔵庫では、今の省エネ型冷蔵庫と比べて2~3倍の電気代がかかっているんですが、そこに気付いていない。『まちの電器屋』として、『お会いする事で伝えられること』というのを大事にして、省エネ家電についての話をさせていただいています」と話す。電気代の節約などのメリットがあるが、買い換えの相談を受ける中で「それが環境にもやさしくなる」という話を必ずしている。
 さらに「今、ハイグレード製品には必ず省エネが盛り込まれています。つまり『ハイグレード製品をお勧めする=省エネ製品をお勧めする』ということにもなるのです。この事は売り上げに対しても+αになっていると思います」。


行政と連携した取り組みで、自信を持って省エネを語れる

柳沢さんも改訂の検討委員にかかわった「長野県版省エネワンツーアドバイス」のパンフレット

柳沢さんも改訂の検討委員にかかわった「長野県版省エネワンツーアドバイス」のパンフレット

長野県電機商業組合の2019年「夢の電化まつり」チラシ。

長野県電機商業組合の2019年「夢の電化まつり」チラシ。

 ヤナギサワ電機は事業者として、県の「信州省エネパートナー」にも登録されている。これは、事務所や工場などで率先して節電をしたり、県民への普及啓発をしたりして、節電・省エネに取り組む事業者を県が登録し、連携・協働を進め、節電・省エネルギーの取り組みを広げていこうというもの。
 柳沢さんは「省エネ家電をお勧めする時、家電店や家電メーカーの一方的な訴えかけだけでなく、自治体や他団体の後ろ盾があるという感じで、自信を持って『まちの電器屋』として省エネを語れます」と前向きにとらえている。
 また、柳沢さんは「長野県版省エネワンツーアドバイス」のパンフレット改訂にも検討会委員の立場から意見を出している。「とにかく『長野県の家はさむい!!朝起きた時の寝室の温度は全国で最低の8.8℃』、というショッキングな内容が表紙になっています。お客様にお渡しして説明する際には、ここからヒートショックなどの話題につなげつつ、効率の良い暖房の必要性を話すという、とてもいい展開ができる内容です」と柳沢さん。行政が中心になって考えるのではなく、生活者に近いところにいるまちの電器屋さんが参加したからこそ、引き出されたフレーズだ。
 県との連携を始めたことがきっかけとなり、新しい試みが始まった。この秋から冬にかけて長野県電機商業組合が行う「夢の電化まつり」で、県の「信州省エネ大作戦」関連イベントを実施することになったのだ。家庭で使用中の製造後10年以上経った冷蔵庫をチェックし応募すると、抽選でプレゼントがもらえる『家電の年式チェックキャンペーン』を行なっている。


2019年「夢の電化まつり」では、県の「信州省エネ大作戦」の関連イベントで『家電の年式チェックキャンペーン』を行なっている。。


全国の「まちの電器屋さん」が目的を共有し、地域愛を持って環境対策に取り組む

 現在、長野県電機商業組合長野支部の支部長もつとめる柳沢さん。「私たちのような地域密着型の『まちの電器屋』は、私たち自身もまちの一員であり、住民であるわけです。地域の方々により良い生活を送っていただきたいので、それぞれのお客様の生活様式にあった製品や、もちろん省エネについては、必ずお伝えすべき内容だと思っています。環境問題は地域の生活にも密接しているという事をもっとアピールしていきたいです」と熱く語る。
 こうした取り組みが電商組合員を中心に広がっていき、全国で電気のプロであるまちの電器屋さんが、地球温暖化対策の分野でも大きな役割を担っていくためには何が必要なのだろうか?
 「私たち電機商業組合ではスマートライフコンシェルジュという認定制度を設けて、勉強の機会が与えられています。省エネの知識を地域の皆さんに伝えていくという役割があるので、それを自覚して、省エネ家電への買い換え促進を図っていけたらと思います。全国の組合員が目的を共有する事でさらに環境対策を推し進め、それぞれの場所で『地域愛』を出していけたらいいし、組合としてそういった活動に取り組みたいですね」と話す。
 昨年県が行った「省エネを普及させるための検討会」でも、信頼できる人からアドバイスを受けた方が効果があるという意見が出ている。ヤナギサワ電機のように地域の信頼を得ているまちの電器屋さんが、省エネ家電への買い換え、ひいては地球温暖化防止に大きな役割を担っていくことを期待したい。


ヤナギサワ電機・柳沢社長

ヤナギサワ電機・柳沢社長


行政の取り組みとまちの電器屋さん

家庭の省エネサポート制度:
 家庭での省エネ・節電取り組みを直接支援するため、県の認定を受けた民間事業者(家庭の省エネサポ ート事業者)が、省エネアドバイスや省エネ診断を行う制度。平成25(2013)年9月スタート。
「家庭の省エネサポート制度(省エネ情報冊子)」はこちら:
https://www.pref.nagano.lg.jp/ontai/kurashi/ondanka/shoene/katei/book.html
信州省エネ大作戦:
 平成23(2011)年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故を背景とした夏の節電・省エネルギー対策に長野県をあげて取り組むため、県内の行政、経済団体、消費者団体、労働団体、農業団体、環境団体、報道機関及び中部電力株式会社長野支店が一丸となって始め、現在まで続く県民運動。
信州省エネパートナー:
 「信州省エネ大作戦」を日頃から推進するために、率先した節電・省エネルギー等の取り組みと、県民 への節電等の普及啓発の取り組みを行う意欲的な事業者を募集・登録をしている。

用語解説

【1】電機商業組合
 家電販売店など、「電気機械器具の小売を業とする者」によって組織される電機商業組合は、全国46都道府県(沖縄県を除く)に組織されており、組合員は全国の合計で約1万5千企業に上る。
都道府県電機商業組合の全国組織として、全国電機商業組合連合会が経済産業省(旧通商産業省)より認可を受けて設立されている。
・全国電機商業組合連合会:http://www.zds.or.jp/
【2】地域地球温暖化防止活動推進センター
 地球温暖化対策推進法(1998)に基づいて、都道府県知事並びに政令指定都市及び中核市の長によって指定されるセンターで、主な業務は、「地球温暖化の現状及び対策の重要性に関する啓発・広報活動」「推進員及び民間団体の活動支援」「温室効果ガス排出抑制等の措置に関する照会・相談・助言」「温室効果ガスの排 出実態に関する調査及び情報・資料の収集・分析」「地域住民の活動促進のため分析結果の提供」「指定元地方公共団体実行計画の達成のための協力」などとして規定されている。平成20年の法改正により、都道府県のみならず、指定都市等による指定ができるようになった。
1999年4月に財団法人北海道環境財団が北海道地球温暖化防止活動推進センターとして、全国に先駆けて指定されたのを皮切りに、2019年10月現在、全国47都道府県及び12市で合計59の地域地球温暖化防止活動推進センターが指定されている。
・地域温暖化防止活動推進センター:http://jccca.org/trend_region/center/

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