【研究機関】2021.10.31 発表
世界気象機関(WMO)は、「世界の気候状況2021」(暫定版)を発表した。
2020年に、大気中温室効果ガス濃度は、過去最高値を更新した。2021年の世界平均気温は、ラニーニャ現象の冷却効果で少し低下したが、史上5位~7位となる見込みで温暖化傾向は継続する。2013年から加速する海面水位上昇は2021年に最高値を記録した。海洋温暖化も進行し、海洋貯熱量は2020年に前年の過去最大値を更新した。酸性化も進み、2万6000年間で現在のph値は最低となった。北極海氷は、衛星観測開始以来の43年間で12番目に小さい値であった。南極海氷は、1981-2010年平均に近かった。北アメリカ、グリーンランドの氷河、氷床の融解も進む。
世界各地で熱波、異常低温、豪雨、干ばつなど極端気象が多発し、それに伴う災害被害が増大した。WMOは、食料不足、災害難民の増加、生態系への影響などを警告する。IPCC報告書第6次評価報告書(AR6)や最近迅速化した要因分析は、人為的要因の気候変動と極端気象の関係を指摘している。
【世界気象機関】
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