【国連】2012.09.14 発表
「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が、1987年の採択から25周年を迎えた2012年9月16日、国連環境計画(UNEP)はこれまでの進展と現状についてコメントを発表した。
197カ国が批准した同議定書は、規制対象のオゾン層破壊物質(ODS)の世界の生産量及び消費量が、スケジュールに先立って98%以上削減されるなど、国連史上最も成功した環境条約とみなされている。同議定書の規定が実施されることで、オゾン層は2050~2075年に1980年以前のレベルにまで回復すると予想されており、こうした改善で、全世界の皮膚がん・白内障の症例は今後数百万件、医療費は米国だけでも4兆2000億ドルが抑制される見込みだという。
ODSは温室効果ガスでもあるため、オゾン層の保護活動は気候変動対策にもなる。これまで取組により、CO2換算で約1350億トンの温室効果ガス排出量が削減され、グリーン経済の推進に寄与してきたという。今後、オゾン層に悪影響を及ぼすHCFCの消費・生産を、途上国が同議定書の下で段階的に廃止することになっており、これが課題となっている。【国連環境計画(UNEP)】
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