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「快適☆自転車通勤・虎の巻」バックナンバー

0062012.05.29UP快適に走り続けるために

自転車はメンテナンスが必要不可欠

 買ったばかりの自転車はプロの手で正しくセッティングされているのでスムーズに走りますが、走っているうちにタイヤの空気は抜け、ブレーキはシュー(ゴム)が減りワイヤーも延びて利かなくなります。放っておくとギアやチェーンには赤錆が浮き、タイヤのゴムはすり減って中の繊維が見えてきます。安全かつ快適に乗れなくなりますので、いつまでも買った時に近い状態で乗れるよう、少なくとも一カ月に一回はメンテナンスをしましょう。
 タイヤの側面には適正空気圧が書いてあります。細いタイヤほど高圧に保っておかないとリム打ちパンク【1】を起こすので、とりわけタイヤ幅が3cm未満のものは一週間に一回程度空気を入れた方が安心。乗る前に必ず入れる人もいるほどです。空気圧がわかるゲージのついた空気入れがあれば更に便利です。なくても指で押して凹まないくらい硬ければ大丈夫です。

ゲージのついた空気入れ

ゲージのついた空気入れ

ゲージのついた空気入れ

タイヤの適正空気圧表示
タイヤの適正空気圧表示

サドルポストに空気入れをセットしたタイプ
サドルポストに空気入れをセットしたタイプ

たかがメンテナンスとあなどるなかれ

 空気圧を正常に保つことやチェーンに油をさす程度の簡単なメンテナンスは、プロに任せる必要のないレベルなので、自転車通勤をしようと思う人や実際にやっている人には自分でできるようになって欲しいと思います。
 ママチャリでも、空気を充分に入れてサドルを5cm上げ(座った状態で両足のつま先が地面に着くくらい)、チェーンに油をさせば驚くほど良く走ります。それくらいメンテナンスは「走り」に影響します。騙されたと思ってやってみてください。油は自転車専用のものが手元になければ、家にある機械油などでも構いません。錆びたチェーンはキシキシという音がしたり、場合によっては切れたりするので要注意です。

チェーンカバーがあるママチャリにも最後部に注油用の穴が空いている
チェーンカバーがあるママチャリにも最後部に注油用の穴が空いている

メンテナンスをすると指が汚れるが
メンテナンスをすると指が汚れるが

ウェットティシューで拭けば済む
ウェットティシューで拭けば済む(しつこい場合は研磨剤入り洗剤で洗う。私のオススメは「ジフ」。専用洗剤より断然安いのですが、落ち具合は遜色ありません)

専用工具が必要なメンテナンスはプロに任せよう

 ゆがんだホイールを元に戻す振れ取り(ふれとり)やカートリッジベアリングの交換など、専用工具が必要な場合はプロに任せましょう。ネットでメンテナンス方法について情報収集し、通販で専用工具を購入することも可能ですが、めったに使う機会もありませんから買うだけ無駄です。
 特に初心者が見よう見まねでやって、整備不良の結果、事故を起こしたりケガをしたりしては意味がありません。自転車は命を載せて走るものですから、自信を持ってできるようになるまでは授業料だと思ってプロに任せ、手際を見て覚えましょう。自分で行なう場合は自己責任になりますが、簡単なメンテナンスなら見ていればすぐにコツが覚えられるはずです。

振れ取りはプロにお願いしよう
振れ取りはプロにお願いしよう

自宅用にカラー六角レンチがあると便利
自宅用にカラー六角レンチがあると便利

携帯用のアーレンキーセットは必需品
携帯用のアーレンキーセットは必需品

いざという時の備えを忘れずに

 自転車は整備をすれば快適に走ることができます。やったらやった分だけ手応えがあるので、いじり甲斐があります。このあたりは昔のクルマと共通していますが、慣れてくれば自分でパーツを交換したりグレードアップしたりして試すことができるのも、楽しみのひとつです。ただし互換性のないパーツもありますので、買ってから失敗に気づくことも多いものです。授業料は覚悟しましょう。
 またツーリングなどへ出かける際には、旅先でトラブルに遭う危険性も考慮し、あらかじめ携帯工具や予備のチューブ、携帯ポンプやバルブアダプター【2】をお守り代わりに持っていくことをお勧めします。

 さあ、今回で最終回です。できるだけわかりやすく書いてきたつもりですが、何かわからないことがあれば、直接TOKYOツーキニストまでお問い合わせください。

ハンドルにツールが内蔵できるエンドバーを取り付ける

ハンドルにツールが内蔵できるエンドバーを取り付ける

ハンドルにツールが内蔵できるエンドバーを取り付ける

予備のチューブとバルブアダプターをお守り代わりに持とう

予備のチューブとバルブアダプターをお守り代わりに持とう

予備のチューブとバルブアダプターをお守り代わりに持とう


脚注

【1】リム打ちパンク
 空気圧が下がっているタイヤで段差に乗り上げると、ホイールリム(車輪)と段差でチューブが強く挟まれ、その衝撃で穴があくタイプのパンクのこと。左右2箇所に付くパンク穴が、ヘビに咬まれた跡に見えるので、スネイクバイトとも呼ばれています。
【2】バルブアダプター
 通勤用でよく使われるスポーツ自転車は、ママチャリのものとは違う空気栓(バルブ)を使用していることが多い。出先でパンクした際は携帯ポンプで空気を入れますが、滅多に使わないので故障していることもあります。バルブアダプターがあれば、町の自転車屋さんに必ず置いてある英式バルブ用のポンプを借りて空気が入れられます。自分の自転車のバルブを英式バルブに変換するアダプターを1つ財布に入れておくと安心です。

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このレポートへの感想

最近は便利なものがずいぶんとあるのですね。部屋に自転車入れて暇があればメンテしていたころを思い出しました。ロードは自分でホイールを組んだりしたものです。確かにメンテナンスは重要ですね。安全と安心を確実なものにするにはこれがかかせません。なつかしい。
(2012.06.11)

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バックナンバー

  1. 001「自転車通勤を始めよう!」
  2. 002「通勤ルートの選び方」
  3. 003「自転車通勤のルールとは」
  4. 004「自転車通勤の楽しみとは」
  5. 005「海外の自転車通勤事情」
  6. 006「快適に走り続けるために」

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