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「有機堆肥で健やかな循環型食生活」バックナンバー

0032013.09.17UP二次発酵には切り返しが欠かせない

 連載も三回目となりましたが、今回は食品廃棄物の堆肥化における工程の中でも特に重要で、かつ手間の掛かる作業について説明します。
 前回説明した、攪拌機による一次発酵が終わると、レーンから出た未熟な堆肥を二次発酵によって完熟させるために堆肥舎へ運びます。ここで行われるのが、「切り返し」と呼ばれる作業です。

切り返し

 堆肥舎の中では、「スパン」【1】と呼ばれる、支柱によって区分けされた空間に堆肥を山積みにして置きます。季節によって異なりますが、数日間熟成させて、表面が乾き始めたら、向かい側もしくは隣のスパンに重機で移します。
 移し方としては、表面の乾いた低温の堆肥を中の方に、内層の湿った堆肥を表面に出すようにします。この時、内層の堆肥は高温のため水蒸気が上がります。
 切り返しによって、堆肥をかき混ぜることで内層に酸素を入れて好気性発酵を促進させることと、攪拌によって低温域の発酵を促進し、発酵菌以外の雑菌を排除することができます。
 この作業は、一回だけではなく幾度も行ないます。弊社の場合では、堆肥舎にもよりますが、約16スパンを移動する工程を経て、完熟堆肥もしくは戻し堆肥をつくっています。

堆肥舎の全景
堆肥舎の全景

下の部分が白くなっている柱の間が1スパン
下の部分が白くなっている柱の間が1スパン

時間との勝負

 切り返しは手間が掛かるため一回の移動作業にかかる時間も平均3~4時間を要します。弊社はホイルローダーを使用して担当スタッフが一日中行なっておりますが、少しでも遅れたりすると、レーンから出てきた新しい堆肥の置き場所がなくなってしまい、業務が滞ってしまいます。
 従って、切り返しは常に行ないます。しかし、前述の通り数日間の熟成期間もありますので、事前に計画を立てて順序よく行なわないと未熟なまま出荷してしまうことになるので、注意が必要です。

そして完熟堆肥へ

 二次発酵が終わり、水分が約50%のぱらぱらした土粒状になったら完熟と呼べます。この堆肥は、畑に散布して野菜の栽培に使ったり、プラントに戻して水分調整剤として使用したりします。

 次回はいよいよ、こうした完熟堆肥の使用方法について説明します。


脚注

【1】スパン
 スパンとは、建築用語で『構造物を支持する支点間の距離』を指す。転じて、区切られた空間そのものを指して呼ばれたりもする。

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