【国際機関】2023.06.08 発表
ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約、CMS)は世界海洋デーに合わせ、海洋生物への騒音公害の影響低減に関する報告書を公表した。
騒音公害は海洋生物の生存に不可欠な水中音を撹乱し、海洋生物の健康や野生行動に有害なだけでなく、生殖や摂餌など重要な生命過程に影響する可能性もある。クジラ目のほか、海牛類や鰭脚類など様々な種が人為的騒音の影響を受けていることが分かっている。人間の海洋活動の増大により水中騒音公害は驚異的な速度で悪化しており、これを放置することは海洋生物にとって大きな脅威であり、特に漁業への影響を通じ、人間の生活にも深刻な影響を及ぼす恐れがある。
報告書は騒音公害の重要な発生源を、船舶航行、エアガンによる海洋地震探査(石油・ガス探査用)、杭打ち(洋上風力発電所等の海洋インフラ用)とし、海洋生物への悪影響を最も効果的に低減する方法(環境にも優しい)として、音源での騒音低減技術の適用を強調。その一例として、燃料消費・排出削減も実現するスロー・スティーミング(減速航海)を挙げている。
【ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約)】
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