【ドイツ】2023.01.26 発表
ドイツ連邦環境庁(UBA)は、2021年の温室効果ガス排出量を公表した。これによると2021年にドイツで排出された温室効果ガスは二酸化炭素(CO₂)換算で7億5910万トンとなり、2020年比では約2,960万トン増(4%増)となったものの1990年比で39%削減したことが明らかになった。エネルギー部門(12.5%増)と産業部門(4.3%増)における排出量は増加したが、これらは化石燃料使用量の増加、再生可能エネルギーによる発電量の減少、電力使用量の増加、コロナ危機後の景気回復が要因として挙げられている。一方で、家庭部門と農業部門(4%減)からの排出量は減少した。建物部門(4.2%減)からの排出量も減少しており、これは燃料油の購入量の大幅な減少が要因として挙げられている。温室効果ガスの種類ごとの排出量は、引き続き二酸化炭素(CO₂)が89.4%と大半を占め、そのほとんどが化石燃料の燃焼に起因している。残りの排出量は、メタン(CH₄)が5.4%、一酸化二窒素(N₂O)が3.7%弱で、農業部門からの排出量が大半を占めている。1990年と比較すると、二酸化炭素は35.6%、メタンは65.5%、一酸化二窒素は52.0%減少した。フッ素系温室効果ガス(Fガス)の排出量は、1995年以降、32%減少している。非排出権取引部門(主に運輸部門と建物部門)の排出量はCO₂換算で約4億300万トンとなり、連邦環境庁は加盟国の排出削減の分担に関する規則(ESR)に基づく2021年の目標値を達成することができたとしている。
【ドイツ連邦環境庁】
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