アメリカ環境保護庁（EPA）は、心臓発作や若年死の要因となる粒子状物質（PM）の国家環境大気質基準（NAAQS）を厳格化する提案を行った。大気清浄法では、一次基準（健康のための基準）と二次基準（福祉のための基準）の2種類のNAAQSの設定が求められており、示された新基準案ではPM2.5の一次基準に関して、年間値を現行の1立方メートルあたり12マイクログラムから9～10マイクログラムへと強化し、24時間値は一次・二次基準ともに据置く。年間値9マイクログラムが実現した場合、年間で最大4200人の若年死などが防がれ、2032年には430億ドルの純健康利益を生むと見積もられている。PM10の各基準値は現行のまま維持するという。そのほか、PM基準に関連する監視要件、大気質指数（AQI）などについても改正案が示された。特に不均衡にPMによる影響を被る有色人種や低所得者居住地域の保護が進むことが期待されるという。公聴会や意見公募を経て、今年中に基準が最終決定される予定。
【アメリカ環境保護庁】