【アメリカ】2022.12.13 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、「北極圏報告カード」2022年版を発表した。北極圏の2021年10月~2022年9月の1年間は、温暖化、多雨、暴風雨の発生が加速した。北極圏の温暖化は、世界平均を上回る速度で進む。この1年の平均気温は、1900年以降6番目の高温であった。近年7年で高温上位7位までを占める。海氷面積は近年比では多いが、長期平均比では大幅に少ない。多年氷の量、海氷の厚さと体積は、記録史上ほぼ最小の前年を上回ったが、1980代・90年代以下であった。グリーンランドの氷床は、25年連続で縮小した。積雪は平均より多かったが、融雪は早く、降雪期は短期化している。1950年代から顕著に増加している降水量は、多くの地域で平年を上回った。9月半ばに、台風マールボックがアラスカ西海岸を襲った。海面水温も上昇傾向にある。北極ガン類を除き、カモ、ウミスズメほか多くの海鳥で環境要因とみられる6年連続の大量死が起きた。本年は、特に先住民の観察と体験に基づく1章が設けられ、他の章にも先住民に関する多くの言及がある。
【アメリカ海洋大気庁】
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