【研究機関】2021.11.30 発表
世界気象機関(WMO)は、2021年9~10月の間に太平洋熱帯域でラニーニャ現象が発生したと発表した。太平洋中~東部の海面と表層の水温は平均より低く、大気の状況も弱いラニーニャ現象を示す。2年連続の発生となった。このたびのラニーニャ現象は、弱から中程度であると予測される。今後継続する可能性は、2021年末までは高く(90%)、2022年1月~3月は中程度(70~80%)である。太平洋中~東部の海面水温は、2021年12月か2022年1月に平年値より約1.1℃低くなり、これを最低としてその後徐々に上昇し、2022年3~5月の間にENSO中立レベルとなる。
ラニーニャ現象の冷却効果にもかかわらず、2021年12月~2022年2月の気温は、陸域の多くで平均気温を上回る。雨量は、ラニーニャ現象の典型を示し、太平洋赤道域の日付変更線付近から南アメリカの最南端、南アジア北西部と中東で異常乾燥、海洋大陸(インドネシア多島海)から南太平洋西部、中部太平洋北部、南アメリカ北東部で多雨となる。
【世界気象機関】
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