【研究機関】2021.09.16 発表
世界気象機関(WMO)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延による経済停滞下でも気候変動は進行したと報告した。
化石起源(セメント含む)の排出は、2019年をピークとし2020年は5.6%の減少をみた。しかし、暫定値によると2021年1~7月の発電・産業部門の排出は、2019年同期と同じかこれを上回った。排出ギャップは過去最大となり、2℃目標達成には15GT、1.5℃目標達成には32GT多い。2020年~2021年前半、温室効果ガスの大気中濃度は上昇を続けた。
高温傾向も継続する。今後5年間(2021~2025年)の各年、世界平均気温は工業化以前を1℃以上上回る可能性がある。また、40%の可能性で、5年のうちの1年が工業化以前を1.5℃以上上回る。ただ、5年間の平均気温が1.5℃を上回る可能性は非常に低い。海氷面積の縮小、海面上昇も継続し、2℃目標達成に必要な排出削減が実現できたとしても残る影響が懸念される。
この報告書「科学で結束」(United in Science)は、2019年から毎年刊行されている。
【世界気象機関】
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