【国際機関】2021.09.08 発表
国連大学環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)は、報告書「相互に連動し合う災害リスク2020~2021年」を公表した。この中で同研究所は、アマゾンの森林火災やアメリカのテキサス州を襲った寒波など、2020~2021年に発生した10の記録的な災害や禍を分析し、世界中で増加している気候変動関連の災害は相互に連動し合いより複合的になっていると報告した。例えば北極圏の熱波と同州の寒波の場合、北極圏の気温が上昇することで北極上空の極渦の安定が崩れ寒気が北米に南下する、といった背景的な繋がりがあると説明している。そして、大半の災害の根本原因は人為的な温室効果ガス(GHG)の排出、災害リスク管理が不十分であること、及び意思決定において環境コストや環境便益が過小評価されていることの3つだと指摘する。そのうえで、社会レベルでも個人レベルでも出来ることがあると述べ、GHGの排出削減などは、気候危機、災害リスク、生物多様性の消失の問題すべてに同時に対処でき、多くの災害に対する解決策になると論じている。
【国連気候変動枠組条約】
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