【国際機関】2021.03.02 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、コロナ危機の影響で2020年のエネルギー関連のCO2排出量が世界全体で前年より約6%減少、戦後最大の減少幅だったと報告した。しかし総CO2排出量は同年4月に最低となった後増加に転じ、12月には前年同月比で2%増となった。国別では、中国はコロナ危機から逸早く脱し2020年の総CO2排出量は前年比0.8%増、インドやブラジルでは2020年後半に前年同月を上回り、アメリカも12月には前年同月に近づいた。これは経済活動の回復にクリーンエネルギー政策が追いついていないためであり、迅速な対応が必要だという。2020年の世界の排出量減少は、主に道路輸送や航空機の石油消費量の減少が要因だが、移動と経済活動の回復に伴い再び増加。電気自動車販売が記録的に増加したものの、道路輸送の再拡大による排出増を相殺するには不十分だった。電力部門は、電力需要の低下に加え太陽光・風力発電の増加により排出量が減少したが、パリ協定の目標達成には更なる排出削減が必要だという。IEAでは来たる5月に、エネルギー部門が2050年までに排出実質ゼロを実現するための世界初の包括的なロードマップを公表する。
【国際エネルギー機関】
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