【アメリカ】2020.12.08 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、第15次北極圏報告カードを発表し、2020年に北極圏で空前の高温と海氷、積雪の融解、大規模森林火災が発生したと報告した。2019年10月~2020年9月の年平均地表気温は、1900年の観測開始以来2番目に高かった。過去6年は毎年、観測史上最高を更新してきた。ユーラシア大陸北極域の2020年6月の積雪量は、過去54年で最低となった。2020年の北極海氷域の年最小値(9月の数値)は、衛星観測開始以来2番目に小さく、海氷の厚さも減少を続ける。2020年8月の海面水温は、北極海のほぼ全域で平年より約1~3℃高く、特にラプテフ海とカラ海は氷の融解が早期化し極端な高温となった。一次生産力は、ラプテフ海で2020年7月は同月平均値の約2倍、8月は約6倍となった。食料のプランクトンやオキアミなどが増え、北極クジラの生息数は増えた。夏季にピークとなるツンドラ緑度は大陸により傾向が異なり、この15年間は褐変も目立つ。2019年9月から1年間実施された北極気候研究のための学際的漂流観測プロジェクト(MOSAiC)は、海氷の融解により停泊予定の氷原がなくなるなど気候変動の影響を受けた。
【アメリカ海洋大気庁】
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