メインコンテンツ ここから

[海外エコニュース一覧]

【研究機関】2020.07.31 発表

世界気象機関、北極で異常高温、森林火災、海氷融解が続くと報告

 世界気象機関(WMO)は、北極では異常高温が続き、それが一因となって未曾有の規模で森林火災が拡大し、ロシアの北極海沿岸では海氷が急速に融解していると報告した。2020年1~6月のシベリア各地の平均気温は平年より5℃以上高く、6月にはところにより平年を10℃も上回った。2020年6月20日には、ロシアのベルホヤンスクで38℃を記録した。7月も高温が続き、7月19日以降の週には、ところにより30℃まで上がった。7月25日には、ノルウェー北方のスヴァールバル諸島ロングイェールビーンで、7月の平年気温5.9℃を大きく上回る史上最高気温21.7℃を記録した。異常高温は、ブロッキング気圧と北方に蛇行するジェット気流の持続により高温の大気が流入したことも一因であるが、人為起源の気候変動がなければ起こりえなかったと考えられている。
 衛星写真によると、シベリアの北極圏内外を襲っている火災は幅800kmに及ぶ。火災による2020年7月のCO2排出量は2019年の記録を破り、記録のある18年間で最高となった。また、熱波は、ロシアの北極沿岸で海氷の融解を加速し、ラプテフ海とバレンツ海で海氷域が激減した。このほかの北極海域では、平年並みであった。最近の研究によると、海氷の縮小により、ホッキョクグマは21世紀末にはほとんど絶滅するという。
【世界気象機関】

前のページへ戻る