【国際機関】2020.05.14 発表
世界気象機関(WMO)は、欧州気象衛星開発機構(EUMETSAT)が地球観測衛星アイオロスからの地球の風に関する観測データの公開を開始したと報じた。アイオロスは欧州宇宙機関(ESA)が2018年に打ち上げた衛星で、紫外線レーザーを用いて高度30キロメートルまでの風の鉛直分布を観測する最新の装置を搭載している。公開により、アイオロスによる準リアルタイム(3時間以内)の風プロダクトが、EUMETCastと呼ばれるデータ配信システムの4000のユーザー(欧州の各国気象サービス機関など)に提供される。またWMOの全球通信システム(GTS)を通じて全世界で入手可能となる。WMOは風を鉛直方向に分解する観測手段の構築を長年の課題としてきており、アイオロスのデータ公開に大きな期待を表明している。気象の数値予報の精度向上のみならず、地表と大気の間の熱と水分の交換に風が及ぼす影響を知ることで気候変動に対する理解の深化も期待されるという。
【世界気象機関】
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