[ ナマリ ]

解説

蒼白色の軟らかい金属で空気中で容易に酸化される。無機化合物は2価または4価(2価の方が安定)として存在し、またアルキル鉛などの有機鉛化合物がある。

金属鉛は鉛蓄電池の電極板、鉛管、放射線遮蔽材、活字、ハンダ、鉛ライニング、真鍮、青銅などに利用され、また無機鉛化合物は顔料、塗料、ゴムの耐熱増強剤、塩化ビニル安定剤、農薬などに広く用いられる。

肺または経口から吸収された鉛化合物は血液中に移行し、各種臓器に分布するが、最終的に骨に多く沈着する。中毒は血色素合成の異常と貧血、食欲不振などの消化器症状、中枢神経や末梢神経への影響、腎障害を示す。

なお、米国では、小児が鉛塗料片を食べて中毒(鉛脳症)を起こす事例が多数発生して問題となった。鉛について、水と土壌の環境基準の他、水質汚濁防止法(1970)及び大気汚染防止法(1968)の排出基準が設定されている。

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