【国際機関】2020.03.24 発表
フィンランド環境研究所(SYKE)は、フィンランドの海洋ごみに関する報告書を発表した。
報告書によると、フィンランドの海岸には、1000平方メートルあたり平均240個のごみがあり、とくに都市部の海浜に多かった。居住地域付近の海浜では肉眼で見えるごみ(マクロごみ)の90%は、さまざまなプラスチック・発泡プラスチック製品で構成されている。都市部の海浜ではごみの70%がたばこの吸殻であったが、農村部では5%であった。残りの半分は特定できないプラスチック片である。都市部の海浜ごみはリクレーション用品、建設資材等が多く、70~80%は陸上が発生源で、一方、農村部の海浜ごみは60%が陸上、40%が海上交通、漁業等海洋上が発生源と推定された。
マイクロプラスチックについては、外洋より沿岸部の海域に多く、道路交通が最大の発生源と考えられる。タイヤの摩滅により、年5000~1万トンのマイクロプラスチックが発生している。また、人工芝充填材のゴムチップも摩滅や圧縮等した分の年1000~6000トンが補填されている。人工繊維製品の洗濯で流出するマイクロプラスチックは年最大290トン、洗い流すタイプ(リンスオフ)のパーソナルケア製品からは年5トンで、比較的少ない。海洋上の発生源としては、漁業と養殖業があり、漁業の装備から年最大17トン、養殖漁業の施設材から年30トンが排出されている。
専門家は海洋ごみの発生経路として、雨水の重要性を指摘した。【フィンランド環境研究所】
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