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[海外エコニュース一覧]

【研究機関】2019.12.18 発表

世界資源研究所、途上国の15都市で住民の3分の2が整備された下水設備を利用できていないと報告

 世界資源研究所(WRI)は、安全に管理された下水設備を利用できない都市居住者が2000年の19億人から2015年には23億人に増加し、健康・環境・経済面の損失額は年間2230億ドルに及ぶと報告した。特に密集市街地の低所得世帯で問題が深刻だという。
 これは、WRIの「持続可能な都市のためのロスセンター」が途上国15都市を調査・分析した結果である。報告によると、平均で下水・し尿の62%が安全に管理されておらず、下水設備の普及率は南アジアとサハラ以南のアフリカで最低。スリランカのコロンボなど3都市で、し尿の安全管理が全く行われていなかった。し尿が適切に管理されない場合、水や食物、ハエを介して汚染が拡大する恐れがあり、影響は市全域に及ぶ。下水道利用の代替策である浄化槽や竪穴式トイレも、設置や汲取りの費用負担や汚水漏れ等の実態が明らかになり、衛生問題の解決には公共投資や規制が必要だという。
 今後の対策として、1)家庭用・共有・公衆トイレへの下水道拡張、2)下水道が整備されていない場合の代替策への支援・規制、3)市全域の非正規居住地の改善への支援、4)低所得世帯が利用する下水設備への助成、が示された。【世界資源研究所】

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