【EU】2018.03.22 発表
欧州環境庁(EEA)は、世界水の日(3月22日)に、きれいな水が生態系と人間の健康に不可欠であることを強調するとともに、水の管理に自然の働きを利用することが重要だと改めて訴えた。これまで欧州では、農業や都市開発、発電、洪水対策を目的に、堤防やダムの建設などで内陸水を改変してきたが、これが水質の悪化や野生生物の生息地の劣化を招き、水域の生態系を脅かしている。EEAは、従来型のインフラ建設に頼らずグリーンインフラを活用する方が費用対効果が高いと指摘し、湿地や氾濫原の再生による洪水防止、植樹や生息地ネットワークを通じたCO2吸収などの例を示している。近年は、持続可能で費用も少ないこうした方法が、欧州各国の公的資金や水、農業、気候政策を軸に進み始めた。一方、水域の汚染を直接防ぐ下水処理は、三次処理を含め欧州各国の過去数十年の努力によって高い普及率を実現している。EEAは、欧州の内陸と沿岸の水環境について定期的な評価を実施し水枠組み指令の実施を支えている。2018年後半には、欧州の地下水や河川、湖沼の水質を悪化させる環境負荷を総合的に評価する報告書を公表するという。【欧州環境庁】
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