【アメリカ】2015.11.17 発表
イギリスのサウサンプトン大学を中心とする研究によると、先進国の石油などのエネルギー需要が、それを生産する途上国、特に水不足の地域で淡水資源を消費している。
貿易と水を組み込んだモデルを使い、淡水の消費とエネルギー使用量の相関を調べたところ、電気・ガス部門ではエネルギー需要の生じる国内での淡水使用が多いのに対し、石油部門では生産に必要な淡水の半分以上を、エネルギー需要国外で使用していることがわかったという。このような、外国のエネルギー需要に起因する淡水需要は、現在でも水が不足がちな地域の淡水資源に厳しい負担をかける可能性がある。
また、中国とアメリカを比較したところ、石油部門の淡水消費量はほぼ同じだが、外国の淡水を消費する割合はアメリカが中国の3倍も多く、直接制御できない国外要因による水やエネルギーの不足リスクはアメリカのほうが高いことも判明した。
このため研究チームは、エネルギー政策には、温室効果ガスだけでなく淡水資源への影響や貿易の要素も含め考慮すべきだとする。またチームは、各国のエネルギー供給の地球環境への影響について、今後、バイオ燃料など他のエネルギー担体にも分析を広げるとしている。
【国連環境計画】
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