【EU】2015.05.20 発表
欧州環境庁(EEA)は、欧州の生物種や生息地の保全状況や傾向に関する報告書を発表した。これによれば、EUの鳥類の半数以上は安全な(絶滅の危機にはない)状態で、多くの種(猛禽類や大型肉食動物など)で地方・地域レベルでの改善がみられるが、欧州全体として種と生息地の保全状況は適切な状態になく、生物多様性の減少は続いているという。
EU鳥類指令と生息地指令のもと、EU加盟国は一定の種と生息地について、6年ごとにその評価・報告を行っている。鳥類指令については、その付属文書?に記載された種(その保護地域を設けることを指令がEU加盟国に要請)の個体数は増加している。しかしその一方で、その他の鳥類の個体数は減少しているという。また生息地指令に基づき、適切であると評価されたのは生息地のわずか16%、生物種の23%。不適切と評価されたのは生息地の77%、生物種の60%であった。環境に悪影響を及ぼす原因としては、農業活動や河川・湖の人工化、取水が多く報告された。
この報告書は、専門家・市民を問わず広範囲に及ぶ観察ネットワークに基づくもので、情報が不足する部分はあるが、欧州の生物多様性の全体像を示しているという。
【欧州環境庁】
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