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[海外エコニュース一覧]

【アメリカ】2015.02.13 発表

アメリカ環境保護庁、雨水シミュレーションモデルに気候調節ツールを追加

 アメリカ環境保護庁(EPA)は、降雨などで増える流出水問題の計画や分析に広く用いられている雨水シミュレーションモデル「雨水管理モデル」に、新たに「気候調整ツール」を追加した。「気候調整ツール」によって、水インフラ(側溝、排水溝、管、水路、集水タンク等)を通じて移動する水の質を特定する既存のシミュレーションに、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の気候変動シナリオに基づく気候予測を加えることができる。これにより技術者や計画担当者等のユーザーは、気候変動予測(暴風雨の頻度と強度の増大、季節的降雨の蒸発率の変化等)も考慮しながら、水インフラの性能を評価し、最適な適応手段を選ぶことができるという。また、同ツールは、透水性舗装や屋上緑化、雨水を貯留し湿生植物等を植えた庭など、グリーンインフラの性能のモデル化にも対応する。
降水量が増えたときの流出水は、洪水や沿岸浸食だけでなく、未処理の汚水や、ごみ、家庭用化学物質、肥料などを河川や湖沼に運んで水質汚染を引き起こすなど、大きな環境問題となっている。マッカーシーEPA長官は、「気候調節ツールのような科学に基づく技術を推進し、気候変動の影響による経済負担の軽減や市民生活の保護に取り組む州や自治体の計画担当者を支援する」としている。【アメリカ環境保護庁】

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