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地球温暖化

地球温暖化に対する取り組み

国際的な取り組み

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
1988年11月にUNEPとWMOの共催により、地球温暖化に関する科学的側面をテーマとした初めての公式の政府間の検討の場として設置され、世界の専門家や行政官が中心となって、地球温暖化の科学的知見、環境的・社会経済的影響、対応戦略について検討が行われ、国際的対策の進展に合わせ政府決定者に対し、最も信頼できる科学的・技術的知見を提供している。
気候変動に関する政府間パネル
気候変動に関する国際連合枠組条約(気候変動枠組条約)
1990年12月に国連内に設置された同条約の交渉会議により検討が開始され、1992年5月に条約が採択された。この条約は、同年の地球サミットの開催期間中に日本を含めた155カ国が署名を行っている。その後、地球温暖化問題への各国の関心の高さを反映して、1997年5月時点での締約国は167カ国に至っている。

気候変動に関する枠組み条約の概要は次の通りである。
  • 先進国における約束(コミットメント)
    • 温室効果ガスの排出・吸収の目録作り
    • 温暖化対策の国別計画の策定と実施
    • エネルギー分野などでの技術の開発、普及
    • 森林などの吸収源の保護・増大対策推進
    • 科学、調査研究・計測などの国際協力
    • 情報交換、教育・訓練などの国際協力
    • 条約の実施に関する情報の通報など
    • 温室効果ガス排出量の1990年代末までの従前レベルへの回帰
    • 温室効果ガス排出量の1990年レベルへの回帰を目指した政策・措置の情報提供
    • 途上国への資金、技術の支援(旧ソ連、東欧諸国については免除)
  • 途上国における約束(コミットメント)
    • 温室効果ガスの排出・吸収の目録作り
    • 温暖化対策の国別計画の策定と実施
    • エネルギー分野などでの技術の開発、普及
    • 森林などの吸収源の保護・増大対策推進
    • 科学、調査研究・計測などの国際協力
    • 情報交換、教育・訓練などの国際協力
    • 条約の実施に関する情報の通報など
【図】気候変動枠組条約の概要
クリックで拡大表示します。
気候変動に関する国際連合枠組条約事務局
京都議定書
我が国が議長国となった平成9年の気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)において、先進締約国について排出削減のための数値目標、政策措置を定めた京都議定書が採択された。議定書には、京都メカニズム(排出量取引や先進締約国間で排出削減のための事業を行う共同実施、先進締約国と開発途上締約国との間で排出削減のための事業等を行うクリーン開発メカニズム)等の新たな仕組みを導入している。
平成13年7月のCOP6再開会合において、議定書の中核的要素に関する基本的合意(ボン合意)が得られ、議定書2002年の発効に向け、今後も交渉が続けられる。

京都議定書
京都議定書のポイント
(環境白書 環境庁)

国及び地方公共団体における取り組み

地球温暖化防止行動計画
地球環境問題が国際的な重要な課題になるにつれて政府一体となって総合的に施策を進めていく必要が生じ、1989年5月に「地球環境保全に関する関係閣僚会議」が設置され、また、同年7月には環境庁長官が地球環境問題担当大臣に任命されるなど、国内体制の整備も進んできた。
このような経緯を経て1990年10月に「地球温暖化防止行動計画」が策定された。「地球温暖化防止行動計画」は、温暖化対策を計画的・総合的に推進していくための政府として方針と今後取り組んでいくべき可能な対策の全体像を明確にしたものである。この行動計画においては、二酸化炭素の排出抑制の目標について、

一人当たりの排出量:
2000年以降おおむね1990年レベルで安定化を図る
総 排 出 量  :
革新的技術開発等が早期に大幅に進展することにより、2000年以降概ね1990年レベルで安定化するように努める

としている。このために、都市・地域構造、交通体系から一人ひとりのライフスタイルにわたる広範な対策を掲げている。
また、二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出抑制、二酸化炭素吸収源である緑の保全や様々な技術開発などの対策の推進も含まれている。
地球温暖化対策の推進に関する法律(地球温暖化対策推進法)
地球温暖化対策推進法は、1998年10月9日に公布された。1997年のCOP3での京都議定書の採択を受け、国、地方公共団体、事業者、国民が一体となって地球温暖化対策に取り組むための枠組みを定めたものである。
  • 国、地方自治体、事業者、国民の全ての役割を明らかにする。
  • 6つの温室効果ガスの全てを対象にした取り組みを促進する。
  • 国、地方自治体はもちろん、相当量を排出する事業者についても、計画づくりやその実施状況の公表を促す。
  • 全国的な取り組みでなく、地方の実情に応じたきめ細かな対策を促進する。
  • 地球温暖化防止活動推進委員や地球温暖化防止活動推進センターといった仕組みを設ける。
  1. 地球温暖化対策に関する基本方針     (環境白書より)
    地球温暖化対策推進法に基づき、政府では、地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、「地球温暖化対策に関する基本方針」を定めている。基本方針においては、
    1. 地球温暖化対策の推進に関する基本的方向
    2. 国、地方公共団体、事業者及び国民のそれぞれが講ずべき温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する基本的事項
    3. 政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のための実行措置について定める計画(実行計画)に関する事項
    4. 温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者について温室効果ガスの排出の抑制等のための措置(他の者の温室効果ガスの排出抑制等に寄与するための措置を含む) に関し策定及び公表に努めるべき計画に関する基本的事項
    について定めることにしている。
全国地球温暖化防止活動推進センター
地球温暖化対策推進法の施行に伴い、全国地球温暖化防止活動推進センターとして(財)日本環境協会が指定された。同センターでは、地球温暖化防止に関する情報提供拠点としての機能やNGO・各自治体が実施する活動の支援拠点としての役割を担っている。また、各都道府県にも都道府県地球温暖化防止活動推進センターが指定され、市民や自治体などが推進する実際の温暖化防止活動に、より密着した支援活動が展開されることとなるが、これらの都道府県センターの立ち上げのための支援も実施することとしている。
全国地球温暖化防止活動推進センター
地球環境と夏時間を考える国民会議
地球温暖化をはじめとする地球環境問題の抜本的な解決のためには、ライフスタイルを環境にやさしいものへと変えていく事が不可欠である。このため政府では、地球温暖化対策推進大綱(平成10年6月地球温暖化対策推進本部決定)に基づき、「地球環境と夏時間を考える国民会議」を設置した。この会議は、国民一人ひとりのライフスタイルを見直すきっかけとして、夏時間(サマータイム)の導入を訴え、夏時間の導入に関する論点の整理を行いつつ、ライフスタイルの見直しについて国民的議論を展開し、国民的な合意の形成を目的としている。
98年9月以来13回の会議(中央9回、地方4回)を開催してサマータイム制度について検討を行い、また、報告書(案)に対する地方ヒアリング、パブリックコメントを実施して、昨年5月13日に報告書を最終的に取りまとめた。
地球環境と夏時間を考える国民会議

その他の取り組み

ESCO事業
ESCO事業とは、(従前の利便性を損なうことなく)省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、その顧客の省エネルギーメリットの一部を報酬として享受する事業である。
一般的に日本でESCOというと、省エネルギーに関するサービスを行う会社を指すが、米国においては、省エネルギーのみならずエネルギーの供給も行い始めている。
日本でも、エネルギーの削減だけを目指すのではなく、例えば以下で示すようなグリーン電力の調達を行うなど、環境に与える負荷のより小さなエネルギー利用を目指していくことが求められる。
グリーン電力
グリーン電力とは、再生可能な自然エネルギーなどによって作られた電気のこと。この自然エネルギーとは風力、太陽光、地熱などである。二酸化炭素を出さないクリーンな電力は海外では消費者の希望により利用することができる。アメリカでは早くから(1993年ころ)風力発電などで作られた電力がグリーン電力として使われだした。通常よりも高い電気料金を払い、代わりに風力発電で作った電気であると言う証明のようなもの(小さなステッカーなど)を発行してもらうのである。
日本でも、グリーン電力基金という、自然エネルギー普及のための応援基金が、電力会社の取り組みとしてスタートしている。この基金は、二酸化炭素の排出抑制など環境保全への貢献を希望する消費者から寄付金を募集し、大型風力発電や公共の太陽光発電の施設などに助成するものである。また、グリーン電力の証明書を発行する制度についても、検討が進められている。
環境税
環境税とは、環境汚染物質の排出や環境に直接的・間接的に悪影響を与える製品の生産・消費等を削減したり、抑制したりするねらいを持つ多様な税・課徴金の総称である。例えば、二酸化炭素の排出抑制を目的とした炭素税という考え方がある。これは、化石燃料を大量に使用する産業界だけではなく、規制的な措置を講じにくい一方で排出増が続く家庭部門や運輸部門に対して、経済的な措置を導入して排出抑制を図ろうとするもので、幅広い範囲で効果が期待される。
諸外国では以下のような環境税が導入されている。
  • 炭素税
    地球温暖化の原因物質である二酸化炭素(CO2)の排出を抑制するため、石油、石炭などの化石燃料に課せられる税。フィンランド、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、イタリアで導入されている。また、ドイツでは広範囲な環境税が、英国ではエネルギー税が導入されている。
  • 硫黄税
    酸性雨の原因ともなる硫黄酸化物(SOx)の排出に課せられる税。
  • 使い捨て飲料容器に対する税
    廃棄物の処理費用を汚染者に負担させ、廃棄物の再利用システムを確立するため、びんや缶などの使い捨て飲料容器に対して課せられる税。
海外植林活動
失われた熱帯林を再生させるために、様々な企業が自主的に海外で植林活動を行っている。緑の失われた土地に対して植林することは、新たな生態系を創出することや、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素の固定化などにも役立つ大事な取り組みと言える。

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