メインコンテンツ ここから

「森を守って健康長持ち・天然住宅」バックナンバー

0062011.10.04UP住まいは“断熱型”省エネでもっと変われる

あるリフォーム依頼

断熱内窓
断熱内窓

 ある方から、マンションの室内のリフォーム依頼がありました。特に北側の部屋が著しく寒いとのこと。実際に現場を確認してみると、北側の部屋の窓は水が流れ落ちるほど結露し、桟(さん)の部分には溜まるほどの黒いカビがありました。さらに壁をはがしてみると、内側はカビだらけで、一部は手抜き工事だったのか、断熱材が入っていないところすらあります。確かに底冷えのする部屋でした。
 施主からは「断窓(だんまど)」をつけてほしいというのが希望でした。「断窓」というのは、天然住宅で施工している「断熱内窓」の略称です。アルミサッシの内側に、もうひとつペアガラス【1】入りの木製サッシを施工する方法です。これは、もともと省エネ性能を調べていくうちに考えついたものでした。

結露によるカビ結露によるカビ
結露によるカビ

エネルギー消費の省エネ

太陽光温水器
太陽光温水器(Creative Commons, Some Rights Reserved, Photo by gmourits)

  

 私は友人たちと『エコ ECO省エネゲーム』(合同出版)という本を書いています。本のコンセプトは、「努力・忍耐に頼らずに、どこまで省エネできるか」というもの。
 家庭内の二酸化炭素排出量で最も多いのは電気ですが、エネルギー消費量で見てみると、電気、給湯、暖房が約3分の1ずつです。
 まず、家電の省エネ化が進んだので、買い替える時に省エネ製品を選べば、半分まで電気消費を減らすことが可能だということが、その時の調査でわかりました。気づいたのは、「自然エネルギーを導入するよりも省エネを進めた方がコスト安になる」という事実でした。
 給湯の省エネは、熱源に電気を使わないことが重要です。せっかく熱から電気を作るのに、それをまた熱に戻すのは効率が悪いからです。ガスや灯油を使って、可能ならそれを木材などのバイオマスに変えていくのがいいと思います。太陽温水器やペレットストーブ、薪ストーブが使えたら二酸化炭素を出さずにすみます。
 暖房の場合も、自然エネルギーの暖房器を導入するより、断熱した方が効率がよかったのです。しかも熱の半分が逃げるのが窓からで、特に窓枠に使われているアルミが、著しく熱を伝えてしまっていたのです。木材と比較すると、実に1800倍です! アルミの堅牢性を利用しながら断熱性を持たせるには、内側に木製サッシを入れればいいと考えたのです。

ビフォア・アフター

 リフォームの結果はとても素晴らしいものでした。北側の窓の結露はなくなり、足元から来る底冷えが消えたのです。さらに腰の高さまで低温乾燥させたスギ板を貼り、鉄の扉もスギ板で覆いました。おかげで暖かさが失われません。
 熱の伝わり方には、エアコンのような「対流」、フライパンを熱すると柄まで熱くなる「伝導」、そして赤外線暖房のような「輻射」の3つがあります。この中の「輻射」は、他の2つの熱の伝わり方とは比較にならないほど大きいのです。木材などの自然素材は高い輻射の効果を持っています。その結果、部屋はさらに暖かくなるのでした。
 そのお宅ではその後、ほとんど暖房を必要としなくなりました。おかげで暖房費がかなり安くなりました。しかも高温乾燥していないスギは精油分が残されているので、ダニを寄せ付けず、鎮静効果を持つフィトンチッド成分があります。トイレも全面的にスギ板を貼ったのですが、消臭効果があっていいと言っておられました。
 その後、別なオフィスでも、同様のリフォームを施工しました。そこでは一日中かけていた冬場のエアコンが、朝の一時間だけになったそうです。感謝されたのは意外なことに、オフィスに働いていた女性職員からでした。足元からくる寒さがなくなったおかげで、冷え症の人たちに喜ばれたのです。そのリフォームには、さらに効果がありました。オフィス火災の原因になっている机の下の電気ストーブが不要になり、電気消費量も著しく下がったのです。まず断熱から考えること、これが大事だったのだと思います。

リフォーム前後の温度変化[1]リフォーム前後の温度変化[2]
リフォーム前後の温度変化


脚注

【1】ペアガラス
2枚の板ガラスの間に乾燥した空気の層を作り、断熱効果を高めたもの。

このレポートは役に立ちましたか?→

役に立った

役に立った:15

このレポートへの感想

ご質問について
・記事は窓に「内窓」を入れる話ですので、その窓自体が断熱です。
建物壁内の断熱では、常に「ウールブレス」を使っています。湿度を貯めないので、壁内の腐食、虫・カビの心配がないからです。

・石油は当然出ます。木材も燃やす時点では出ますが、ちゃんと植林されるならば、その分は吸収されることになるので、プラスマイナスゼロと計算されます。

・電気で熱を作るのは、いくらヒートポンプ機能があってもいいものにはならないと考えています。ガスヒートポンプの方がいいです。熱源は他に太陽温水器や、薪やペレットのボイラーもありますが、大きな施設でないと薪やボイラーはまだ難しいです。
 太陽温水器は太陽光発電より安くて効率が良いのでお勧めです。正直言うと、販売セールスからは買わずに、自ら発注した方がいいです。

 低温乾燥は天然乾燥のひとつと考えるのがいいかもしれません。昔堅気の木材会社では天然乾燥しているところもあります。地域の木材会社とかに聞けば、すぐわかるので聞いてみるのがいいと思います。

(2012.04.17)

今回のリフォーム現場では、壁内の断熱材についてはどうされたのでしょうか?どのような断熱材を使われたのか?そちらについてもお聞きしたいところです。
また、給湯の熱源に、石油や木材を使うとCO2が発生しない!とありましたが、本当に発生しないのでしょうか?
給湯の熱源については、ヒートポンプなどが広まりつつありますがどうなのでしょうか?
素人の質問ばかりで申し訳ありません。
(2011.10.16)

低温乾燥の杉板というものは簡単に入手できるのでしょうか?自宅でも実践してみたいです!
(2011.10.08)

このレポートへの感想をお送りください。
投稿いただいた感想は事務局チェック後に掲載されます。

ニックネーム
感想
 
送信する入力内容クリア

前のページへ戻る

【PR】

 

ログイン

ゲストさん、

[新規登録] [パスワードを確認]

エコナビアクションメニュー

【PR】

  • 東京環境工科専門学校 コラム連載中!